まるで0と1
世界の全ては ああ

出典: binary/作詞:チャム(.△) 作曲:渡辺壮亮

これがクライマックスの歌詞です。

二進法の世界には飽き飽きしたという思いが滲んでいます。

嘆きを口にしてチャム(.△)はこの曲を閉じるのです。

チャム(.△)自身もデジタル世代ですし、ネット社会で嘘とカメレオンについて宣伝だってします。

いいこと、もしくは便利になること自体に不満を持っている訳ではないのです。

ただ、二進法によって世界があまりに単調にパターン化されることを危惧します。

つまり僕はあくまでもアンチ「binary」であるというのがこの楽曲の正体です。

しかしコンピューターシステムもネット社会も嘆いたところで消えたりはしません。

ただし、この空間をもっと豊かなものに変えてしまうことがチャム(.△)自身にとって大事なのです。

豊かな詩の書き手ですからマウントの取り合いのために言葉が消費される現状は満足できません。

しかし現世ではこの空間から抜け出ることはもう不可能なことも知っています。

そのために歌詞の中の僕もチャム(.△)も来世に期待しました。

ここでは輪廻転生というものについて特に深く考える必要はないです。

大事なことは「別の在り方」というものを想像してみる力を持つことでしょう。

このイマジネーションというものがいま欠けてはいないかというのがチャム(.△)の本音です。

思いやりを持ち寄って言葉を使う分にはチャム(.△)だって反発はしません。

「別の在り方」「新しい在り方」。

それは嘘とカメレオンが鳴らしているオルタナティブ・ロックの真髄です

さらにミニアルバムで提示した「ポストヒューマン」という概念にも親和性があります。

次の在り方を想像するチャム(.△)はどうしたって来世というコンセプトに訴えざるを得ないのです。

チャム(.△)と嘘とカメレオンが音楽や文化に新しく付け加える価値はこの辺りに精髄があります。

上質な言葉で二進法的な言語の使い方に頼らないものの価値を描くのですから相当な才能でしょう。

「binary」はこれからも彼らが届けるものに注目したいと思わせる楽曲であり歌詞です。

チャム(.△)が綴る言葉は難解ですがとても奥深い内容を携えていていつも本当にためになります。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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嘘とカメレオン【binary】歌詞の意味を徹底考察!0と1はなにを示す?記号で描けないモノの正体とはの画像

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