イギリス英語とアメリカ英語

この実写版の2つのバージョンの違いはアニメ版と同じです。

劇中ではイギリスの女優エマ・トンプソンが歌います。

そのイギリスなまりはアニメ版ポット夫人よりも強いように感じます。

また、ジョンとアリアナの方もかなりくだけたアメリカ英語です。

また歌い方も、劇中はていねいに歌い上げています。

しかし主題歌の方はかなりリズムも揺れていて、カジュアルな感じです。

それは劇中ではまだ2人の関係が「かたい」ことを意味しているのだと思います。

打ち解け始めてはいますが、まだまだお互い緊張しているという感じです。

そしてエンディングではすっかり関係も「やわらかく」なっているのでしょう。

ジョンとアリアナの歌声もそのように感じます。

曲の内容を解説

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ポット夫人の歌

この楽曲が使われているシーンで歌うのはポット夫人です。

ポット夫人は王子(野獣)とベルの関係を客観的に見守る存在です。

ちなみに「ベル」というのは本来名前ではありません。

「美女」という意味のフランス語で、英語では「Beauty(ビューティー)」です。

つまり「ベル」=「ビューティー」=「美女」です。

ただしディズニー映画では主人公の名前として使われています。

またポット夫人にとっては「野獣」は姿が変われど「王子」です。

そのあたりの関係性がこの曲の歌詞にも反映されているかと思います。

ここから歌詞について解説していきます。

英語の解釈は筆者によるものなので、不自然なところがあってもお許しください。

愛を見守る存在

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Tale as old as time
True as it can be
Barely even friends
Then somebody bends
Unexpectedly
Just a little change
Small to say the least
Both a little scared
Neither one prepared
Beauty and the beast

出典: 美女と野獣/作詞:Howard Ashman 作曲:Alan Menken

まずは直訳してみます。

1行めは「時間の流れと同じくらい古い物語。」です。

2行めは「本当のことかもしれない。」となります。

意味としては「むかしむかしの話で、もしかしたら本当のことかもしれない。」という感じでしょうか。

3行めの「barely」は「ほとんど~ない」という意味です。

ですので「ほとんど友達でさえない。」となります。

4~5行めは「そのとき、誰かが思いがけず折り曲げた。」です。

意味としては「友達でもなかった2人の運命が、そのとき突然動いた。」という感じです。

ここのsomebodyは「誰か」という単語ですが、ここは「2人以外の存在」という意味でしょう。

誤解を恐れずに書くならその「誰か」は「神様」かもしれません。

7行めの「to say the least」は「ひかえめに言っても」という意味の熟語です。

ですので6~7行めは「ひかえめに言っても小さい、ほんの少しの変化。」となります。

8行めは「2人とも少しこわがっていた。」という意味です。

9行めは「どちらも準備できていなかった。」となります。

なんの「準備」ができていなかったのでしょうか。

おそらく「変化を受け入れる」準備でしょう。

そして「運命を受け入れる」準備なのかもしれません。

このあたりは映画のストーリーでの2人の微妙な気持ちをうまく表していますね。

映画のシーンではポット夫人が踊る2人をそっと見守りながら歌っています。

太陽が昇るように

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Ever just the same
Ever a surprise
Ever as before
Ever just as sure
As the sun will rise

出典: 美女と野獣/作詞:Howard Ashman 作曲:Alan Menken

サビの部分の歌詞です。

ここにはある仕掛けがなされています。

1~4行めはそれぞれ5行めの「as the sun will rise」につながっています。

たとえば1行めだと「Ever just the same as the sun will rise」となります。

つまり、「太陽が昇るのとちょうど同じこと。」という直訳になります。

2行めも同じく「太陽が昇るのと同じように驚きだ。」です。

3行めは「太陽が昇るのと同じように以前からずっとあることだ。」となります。

4行めは「太陽が昇るのと同じように確かなことだ。」です。

ここは「太陽が昇るのと同じ」であると言って、それが「自然なこと」だと強調したいのでしょう。

ベルと野獣が惹かれあうのは不思議なことに思うかもしれないですが、自然なことなのです。

ぎこちない2人

Tale as old as time
Tune as old as song
Bittersweet and strange
Finding you can change
Learning you were wrong

出典: 美女と野獣/作詞:Howard Ashman 作曲:Alan Menken

1行めは先ほども出てきました。

2行めは訳しにくい部分です。

無理やり訳すと「昔から歌われている歌と同じくらい調和している。」という感じでしょうか。

つまり2人が自然と分かりあっているということを表しているのではないでしょうか?

「tune」というのは波長があっていることを表しているのかもしれません。

3行めは「ほろ苦くて、慣れていない。」ということでしょう。

2人は少しずつ分かりあい始めているけれど、まだまだぎこちないところがあるのだと思います。

4行めは「変われるということが分かる。」となります。

5行めは「間違えていたと学ぶ。」という意味です。

ここは野獣が自分の過ちを認め、変わっていけることを表しているのでしょう。

太陽が東から昇るように

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