BAD HOP【Walking Dead feat. Vingo & Benjazzy】歌詞を解説

死霊のうごめく街の片隅。

BAD HOPの面々は隠れ家でたむろしています。

メンバー各々の身体に刻まれた札束のタトゥーの描写。

回し飲みするのは安酒のモブ酒ではなく高級コニャックのヘネシーです。

成功を手にした彼らは今でもホームタウンである川崎サウスサイドを闊歩します。

舞台はメンバーのBarkが生まれ育った迷宮のような街・池上町。

その先に描かれる闇の世界とは...。

「Walking Dead feat. Vingo & Benjazzy」のフックパート。

キレキレのフローが魅力のVingo（ビンゴ）が担当しています。

数あるゾンビシリーズの共通点はゾンビの持つ驚異的な感染力です。

丑三つ時、街に噴霧される細菌兵器。

それを吸い込んだら最後、異形の生命体と化してしまいます。

この細菌兵器に例えられるものの正体は後ほど触れることにしましょう。

BAD HOPには川崎育ちでないメンバーがいます。

今はメンバーから外れている横浜市鶴見区出身のAKDOW（アクドウ）。

そして「Walking Dead feat.Vingo & Benjazzy」の主役であるVingoです。

BAD HOPとの出会いを契機に東京から川崎に移り住んだVingo。

今では川崎の、BAD HOPの顔として若者の憧れの的です。

脱出不可能なディストピアとして描かれるゾンビの世界。

その世界と対峙する存在にジョージ・A・ロメロは抑圧されたマイノリティを選びました。

奴隷商人により連れ去られたアメリカの黒人や独裁国家に抑圧される民衆です。

貧困と暴力に支配された川崎サウスサイドと対峙するのはBAD HOP。

彼らはヒップホップのメソッドを用いて世界の闇と対峙するレジスタンスとして描かれます。

「逃げられると思ってるのか？」

呪いの言葉は彼らの耳には入りません。

資金を蓄え闘いの準備を整えるのです。

Xan（ザン）とは錠剤の名称です。

良い子は真似しちゃいけないものですので詳細は割愛させていただきます。

迫りくる魔の手もレジスタンスであるBAD HOPの行く手を止めることはできません。

ゾンビのように脳を破壊されるまで殲滅することはできないのです。

「撃てるものならやってみな」

傷ついた分だけ彼らの武器である言葉は破壊力を増してゆきます。