今までは楽しく遊ぶために使っていた魔法の力

しかし事件以来、これは人を傷つけてしまう脅威的なものだとエルサは実感します。

なんでこんな力が自分にだけあるのだろうか……と、まだ子供のエルサは思うのです。

自分の力をコントロールできないうちは、遊びたがるアナを冷たく突き放すことしかできません。

本当は遊びたいけれどそうすることしかできない不器用な子供心が滲み出ています。

それを聞いたアナも、エルサに突然嫌われてしまったのだと悲しい気持ちになるのでした。

1人で遊ぶのは退屈

おてんばで遊び盛りのアナ

雪だるまつくろう
自転車に乗ろう
ずっとひとりでいると
壁の絵とおしゃべりしちゃう
頑張れジャンヌ
さびしい部屋で柱時計
見てたりするの

出典: 雪だるまつくろう/作詞:Kristen Anderson-Lopez/Robert Lopez/日本語詞:高橋知伽江 作曲:Kristen Anderson-Lopez/Robert Lopez

まだまだ遊び盛りのアナは未だにエルサには会えないので、1人で遊ぶことしかできません。

自転車にも乗れるようになったけれど、お城は閉鎖されているから外に出ることもできないのです。

遊ぶ人もいないし、外にも出られないなんて小さい子供にとってはストレスにもなります。

広いお城の中で1人ぼっちで遊ぶのは本当に退屈なんだという気持ちがよくわかる歌詞です。

次第に強くなるエルサの魔法の力

【雪だるまつくろう/アナと雪の女王】歌詞を映画のシーンとともに解説!会えない二人の関係が切ない…の画像

アナの問いかけに対するエルサのレスポンスは、もうほとんどありません。

映像の表現からでも分かるくらい、冷たい情景が広がっているのです。

もう両親に近寄るのすら怖く、孤立していく様子が映画のシーンに描かれています。

成長とともに徐々に魔法の力は強くなり、エルサもどんどん心を閉ざしてしまうのでした。

お願い!そばにいてほしい

10年後、もうアナも立派に成長してエルサの部屋に問いかけることも少なくなりました。

そしてエルサも魔法の力と戦いながら10年間、部屋から出ることは一度もありませんでした。

アナもエルサもそんな生活に慣れてしまったのですね。

しかしそんな2人に突然の悲劇が訪れます。

両親が事故死、家族はアナとエルサの2人だけ

エルサ?
ねえドアを開けて心配してるの
会いたいわ
そばにいれば支え合える2人で
あたしたちだけでこれから
どうしていくの?
雪だるまつくろう

出典: 雪だるまつくろう/作詞:Kristen Anderson-Lopez/Robert Lopez/日本語詞:高橋知伽江 作曲:Kristen Anderson-Lopez/Robert Lopez

旅に出かけていたアナとエルサの両親は船の事故に遭い、亡くなってしまいました。

両親を一気に失い、残された家族はアナとエルサの2人だけです。

しかしアナとエルサはもう10年も顔をあわせていません。

たった2人だけの家族なのに会えないなんて寂しすぎますね。

エルサの部屋の前でアナは声を振り絞りながら問いかけるのでした。

声が聞きたい、顔が見たい、とにかく元気かどうか知りたいのです。

両親を亡くし、更にエルサまで失ってしまったらアナは立ち直れません。

幼少期や子供時代の無邪気なお願いとは違い、ここでは一生のお願いをしているようなイメージに感じます。

これからは2人でこの広いお城の中で生活しなくてはいけないのだから、せめて問いかけに答えてという願いです。

しかしエルサもまた、ドアの向こう側で絶望していました。

大きくなりすぎた自分の魔法の力を制御できなくなっていたのです。

部屋中が雪と氷に包まれていて、まるで別世界のようになってしまいました。

エルサの魔法の力のことを知っている両親はもうこの世にはいないのです。

アナは何も知らないし、知られてはいけない……。

本当は2人で助け合いたいのだけれど、このドアを決して開けるわけにはいかないのです。

エルサもそんな葛藤を心に秘めていました。

お互い気持ちは同じなのに、そうすることができないすれ違いが描かれたストーリーになっています。

ドアを1枚挟み、背中合わせになる2人の様子がなんとも言えず切ないのです。

最後に

【雪だるまつくろう/アナと雪の女王】歌詞を映画のシーンとともに解説!会えない二人の関係が切ない…の画像

「雪だるまつくろう」の楽曲映画のシーンとともにご紹介しました。

この前後のストーリーだけピックアップしてしまうと、なんだかとても切ない印象になってしまいますね。

実際はここから始まっていく2人の絆を描いたものが『アナと雪の女王』です。

戴冠式をきっかけに閉ざされたお城の門が解放され、エルサとアナは再び顔を合わせることになります。

なので「雪だるまつくろう」は2人の関係の変化をとても分かりやすく歌っている楽曲だと思いました。

楽曲の中の10年間は、物語の序章ともいえる10年間です。

その後の展開はほとんどの方が映画を見て知っているかもしれませんが……(笑)

ここでは見ていない少数派の人のために割愛させていただきます。

映画『アナと雪の女王』は劇中の楽曲が良いことでも話題になりました。

特に今回ご紹介した「雪だるまつくろう」はお子様に人気だったとか……!

でも1番人気の楽曲はやっぱりあの曲でしょうか??

当時は“ありのままで〜♪♪”旋風が巻き起こりましたもんね!!

OTOKAKEでは『アナと雪の女王』のサウンドトラックに収録されている楽曲を他にもクローズアップしています。

こちらもよかったらあわせてご覧になってみてください。

大ヒットを記録したディズニー映画「アナと雪の女王」。映画の代名詞的な存在ともいえる「Let it go(邦題: ありのままで)」ですが、実は日本語版「Let it go」は世界的な注目を集めているのは知っていましたか?

名曲「Let It Go」を劇中歌として含んでいるディズニー映画「アナと雪の女王」。実は「Let It Go」以外にも数多くの名曲が含まれているんです!今回はこの映画の冒頭を飾る劇中歌「生まれてはじめて」について詳しく解説します。アナの高揚した気持ちが歌われている歌詞は、聴いている人を楽しい気分にしてくれますよ!

「アナ雪」ヒットの秘密に迫る!おすすめ記事