indigo la End(インディゴ ラ エンド)の美しき失恋ソング
”プレイバック”とは、検索してみると”記録した映像や音声などを再生すること”という意味で書いてあります。
しかし今回ご紹介するindigo la Endの曲「プレイバック」はもっと深い意味でこの言葉が使われています。
辞書に書かれているような無機質な意味ではなく、感情の高まりから発せられる”プレイバック”。
この曲のMVでは、それがある方法で見事に表現されています。
「プレイバック」とリンクしている曲
アルバム『Crying End Roll』の9曲目に収録されている「プレイバック」。
MVは、岡田文章監督が手掛けています。
実は1曲目に収録されている「想いきり」という曲も同じ監督で作られ、この「プレイバック」とリンクしているのです。
出演女優も同じ、安藤輪子。
アパートに差し込む陽ざしや、屋上でのシーンが眩しいMVです。
ごく普通の彼女との日常を描いています。
「想いきり」を聴いてみよう
「プレイバック」の秘密が気になるところですが、ここでリンクしている「想いきり」のMVを先にご紹介しましょう。
嫌な部分が多いと歌っていますが、彼女の全てを包み込む愛し方を表現しているのでしょう。
本当に好きになると、嫌いなところなどどうでもよくなるものです。
それを許すほど愛が大きくなっていく。
あなたはどう感じましたか?
”記憶”という映像
しかしどんなに想っていても、別れなければならないこともあります。
現在と過去を歌う
「プレイバック」は「想いきり」とは打って変わって、さよならした彼女を思い返しています。
もうお分かりの方もおられるでしょう。
「想いきり」では彼女だった女性が「プレイバック」で過去の女性として登場してくるのです。
これはあくまでMVでのお話であり、実際曲への思い入れは人それぞれでこの2曲が組曲というわけではありません。
『Crying End Roll』は、特にコンセプトのないアルバムだとメンバーが語っています。
でも、こんなふうに物語風にとらえるのも、MVの楽しみ方のひとつです。
ガラス越しによみがえる思い出
「プレイバック」のMVでは、どうやって”思い出の彼女”を可視化したのでしょう。
秘密はタイトルの”プレイバック”という言葉にあります。
このMVでは、”記憶”という名の映像を再生してみせているのです。
場所は録音スタジオ。
ヴォーカル&ギターの川谷絵音が元カレ役で、スタジオのコントロールルームに座っています。
元恋人の姿、仕草、声までもが、ガラスで隔てられた録音ブースで再生されます。
手に取るようによみがえる思い出。
しかし、二人の間には厚いガラスの壁があり、今の状況を表しています。
岡田監督も、二人を離して置くことでその関係を可視化したとコメントしています。