置いて行かれたような淋しさ
ため息色した 通い慣れた道
人混みの中へ 吸い込まれてく
消えてった小さな夢をなんとなくね 数えて
同年代の友人達が 家族を築いてく
人生観は様々 そう誰もが知ってる
悲しみをまた優しさに変えながら 生きてく
出典: 花 -Mémento-Mori-/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
主人公の女性は、誰かと別れてから家路に向かいます。
いつも歩いている道を、抜け殻のようにぼんやりと。
小さい頃は、いろいろな夢を思い描いていたのに、何一つ叶えられていないような気がする。
友達みんな、可愛い奥さんになって最愛の人と暮らしているのに、私は人混みに紛れてしまっている。
淋しい思いをかみ殺して微笑んで見せるのは、なぜなのでしょうか。
心を自由にしたい
負けないように 枯れないように 笑って咲く花になろう
ふと自分に 迷うときは 風を集めて空に放つよ今
出典: 花 -Mémento-Mori-/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
この女性は、誰かを悲しませないために、無理して笑っているように見えます。
それでも、これでいいのかなと迷うときは、空を見上げてみるのです。
咲き誇る花が、いつも空を見上げているように。
そうすれば、涙もこぼれないから。
本当は、この風と一緒に心を解き放てたらどんなにいいかと、主人公は思います。
誰かに笑われてもいい
この夢を貫き通したい
恋愛観や感情論で 愛は語れない
この想いが消えぬように そっと祈るだけ
甘えぬように 寄り添うように 孤独を分け合うように
等身大の自分だって きっと愛せるから
最大限の夢描くよ たとえ無謀だと他人が笑ってもいいや
出典: 花 -Mémento-Mori-/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
主人公は、誰かに恋をしているようですね。
この愛を失くしてしまうのが一番怖いのです。
だから無理に笑ったりして、彼に甘えることもせずに想い続けています。
彼と一緒に人生を歩いていくという夢を、他の誰かに笑われても構わないとまで思っているのです。
かなり訳アリのような、切ない恋を感じさせます。
この愛だけは守りたい
やがてすべてが散り行く運命であっても
わかってるんだよ 多少リスクを背負っても
手にしたい 愛・愛
出典: 花 -Mémento-Mori-/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
なにもかも無くなってもいい。
この愛さえあればそれでいい。
主人公は、かなり思い詰めています。
他にも大切なものはあると思うのですが、恋は盲目です。
どんな辛いことが起こっても、この愛だけは守りたいと思っています。
秘められた愛?
若い読者の方はご存知ないと思いますが、1990年代前半はトレンディードラマ全盛期でした。
もう”トレンディードラマ”なんて死語ですが、訳アリの恋物語が次々発表されました。
そして、三角関係、はたまた略奪愛など、危険な恋に身を投じる女性が増えてきたのです。
この曲はそのほんの数年後に発表されています。
歌の主人公も、ドラマの女性たちのように、哀しい恋をしているようです。
”手にしたい愛”というのは、そういった手の届かない相手への”愛”でしょう。
”愛・愛”と2回繰り返すのは、二股をかけている相手への当てつけなのか。
それとも、2番目でもいいという哀しい決断なのか……。
これは、辛いですね。
若いみなさん、危険な恋にはくれぐれも気をつけてください。