馬鹿みたくあどけなく
変われないままでいいよ
嘘みたく嘘じゃない
僕らの唄を
出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka
「終わらない」ことに関して、彼はどうにかして終わらせようとはしていません。
恋人に対して正直に、青春に対してひたむきに生きてきたという自負があるのかもしれませんね。
無理して大人になって割り切ろうとせず、大人と子どもの混色としての自分や恋人を受け入れます。
「嘘」を2度繰り返す回りくどい表現ですが「信じられないぐらいに正直過ぎる」という意味なのでしょう。
刹那的に過ぎた時間を偽ることなく心に刻んでいきたいという意思を感じます。
彼の頭上だけにある深い青
焦がした色が、色が
誰を染めることも無くとも
捨てられやしない
僕にはできない
心なんて自分勝手だ
出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka
何らかの「炎」の存在を感じますが、ここでは明らかになっていません。
彼らが持つ青色が炎によって焼かれて別の色に変わったとしても、彼らにとってはそれすらも「青」。
恋が「燃え尽きた恋」になり、変わり果てた色になったとしても彼らにとっては「恋」。
どれも自分たちが生きてきた証です。
恋人との別れ際、「お互いを忘れて新しい恋を探そう」と口約束をしたかもしれません。
しかしそれは彼の本心ではなく、少なくとも彼は燃え尽きた恋ですら抱えて生きていきたいと思っています。
「僕ら」ではなく「僕」である点にその感情が表れています。
飛ばした声が
夜の帳を下ろしてしまっても
ただの僕らのままここで
今、唄を歌うよ
出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka
ここで歌われる「声」は恋人に向けたものではなく、本心を彼の頭上に叫んだのではないでしょうか。
今までは頭上に昼空が広がっていたのかもしれません。
しかし彼の叫びによって彼の頭上だけが夜空の濃紺に染まってしまいます。
見ている青色は違うものであっても、お互いの正直さがつけた色だということに変わりはありません。
失うには大きすぎた恋愛
恋の終わりは前触れもなくやってくるというケースもあるでしょう。
一方、この曲の「僕ら」の場合は前触れがあったようです。
大人になりかけた僕らには青すぎる唄
ふとした拍子に
満たされぬ夜に
軽口を叩いて歩いた帰り道に
今も僕らの恋は置いてけぼりだ
今でも僕らの息はそこにあるんだ
出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka
思い起こしてみれば、様々な場所で恋を少しずつ失っていたのかもしれない、ということに気づきます。
初々しく熱っぽい空気をまとったままのそれらは、風に飛ばされて道の端っこに落ちているかもしれません。
あえて言うなら
なんて言うかな
恥ずかしがってさ
目を伏せていた僕ら
いつか
僕らが青を塗り潰したって
それでも僕らをやめることはないだろう
出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka
確かに2人の恋は少しずつ失われていたのに、直視していなかったのかもしれませんね。
その行動だって、彼らの素直さの表れです。
まるでそれを黒歴史のようにして忘れ去ろうとしても、苦しいほど正直に生きた時間を忘れることはできないのでしょう。
くだらなく
つまらない
継ぎ接ぎの唄でいいよ
誰にも似合うことはない
形をしているだろう
出典: 青/作詞:wowaka 作曲:wowaka
素直な感情は作り物ではありません。誰かを喜ばせるために作ったものでもありません。
素直さと若さゆえに感情の起伏は激しかったのではないでしょうか。
揺れ動く気持ちに素直に生きていたからこそ、彼らが紡ぐ唄はところどころ大きさが違ったり、青さに差があるのです。
一方で、確かに彼らが紡いだ唄なのに、あまりにも大人に近づいてしまった彼らには不釣り合いな唄になっているのかもしれませんね。