同じもの見られたら それだけでいい
同じ気持ちじゃなくても それだけでいい
変わってくるなら 全て見ておきたい
居なくなるのなら 居た事知りたい
出典: R.I.P./作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
半ば叫んでいるような藤くんの歌唱に心を掴まれないハズがありません。本作品で一番の聴き所と言っても過言ではない部分です。
『君と同じ景色を見たい、それが同じ気持ちじゃなくても』
この気持ちの理由はバンプの楽曲「宇宙飛行士への手紙」に隠れているのではないか、と推測。後ほどCDも紹介するので、せひ聴いてみてください。思いがリンクしていくのがわかりますから。
ここに誰が居たかっただろう それが僕にもなり得る事
こんな当然を思うだけで 眠れない程怖いんだよ
そこに君が居なかった事 そこに僕が居なかった事
こんな当然を思うだけで 今がこれ程愛しいんだよ
怖いんだよ
出典: R.I.P/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
で、再びこのフレーズに戻ってきます。だけど<誰が居たかっただろう>と、ちょっと歌詞が変化していますね。
さて、命ある限り、必ず終わりはやって来るもの。人間、誰しも予期せぬ出来事で命を奪われることがあります。だから『生きていさえすれば<ここ>に居たかった』という人だって、数知れず居るはずなんです。
そして、明日<僕>がその立場になる可能性だってある。
それは<当然>で、自然の摂理ですよ。だけど、大切な人と共有する"とき"を愛しく思えば思う程、その摂理が怖くなる……みんなだって、きっと同じで。
アドバルーンの下 催事場のヒーロー 光化学スモッグ 手を引かれた野球帽
地球で一番 幸せだと思った あの日の僕に 君を見せたい
出典: R.I.P./作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
大切な人と"とき"を共有できるのが、愛おしくて、怖い。だからこそ、これからも大切な人と"とき"を共有したいという想いが募るのですよね。
その想いが本作品の真髄なのではないかと筆者は考えています。
最後は<地球で一番 幸せだと思った>思い出で締める「R.I.P.」。もはや芸術的な美しささえ感じると思いませんか?
アルバム『COSMONAUT』収録曲
2009年に両A面シングル「R.I.P./Merry Christmas」としてリリースされた本作品は、翌年にリリースされたアルバム『COSMONAUT』に収録されています。
このアルバムには、歌詞解説の中で紹介した「魔法の料理 〜君から君へ〜」や「宇宙飛行士への手紙 」も収録。アルバムの「R.I.P.」は冒頭の歌詞がカットされていて、この前に収録されている曲と繋がっている仕様に。
そのせいもあって、アルバム全体がまるで1つの物語のような感覚を得られるアルバムとなっています。
。ちなみに同じシングルに収録された「Merry Christmas」はアルバム未収録曲…。だからアルバムもシングルも、両方買って損ナシですよ。それぞれ定番のオマケ曲もありますから、一度チェックしてみてください。
バンプ「R.I.P.」のPVはコチラ
歌詞のテーマを見事に反映したPV
「R.I.P.」のPVは、シングルリリースと同年の2009年に公開されました。演奏場所が廃屋であることや、反射された映像が次のシーンに映り変わる演出には、本作品のテーマが見事に反映させられています。
そして、10年近く前の映像ということもあって、やっぱりメンバーが若い!この頃、ドラムの升さんはヒゲ生やしてないですしね。
最後に……
BUMP OF CHICKEN「R.I.P.」はいかがでしたか?
ところで、皆さんは気付いているでしょうか……。
藤くんの超個人的な思い出を聴くことで、私たち自身、それぞれの超個人的な過去を思い出す、という現象が起きていることに。
そこで感じる<魔法>とか、懐かしさ、悲しさ、切なさは、きっと皆さんに共通するものがあります。
人と『思い出の共有』はできなくでも『想いの共有』をすることはできる。
私たちは藤くんの<魔法>で「R.I.P.」の意味をすでに体感しているのではないでしょうか。
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