花びらみたいな君の匂いで
あと少しだけ ここにいさせてよ
出典: Balloon Balloon/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
そんな過去の愛の記憶を思い起こさせたのは、「君の匂い」でした。
そう、「どこかで嗅いだ」ような…と、過去の自分も惹かれた香り。
それと同じかあるいは似た香りをきっかけに、過去がふわりと、そして鮮明に蘇ってきたのでしょう。
そしてその記憶に浸り、思うのです。
懐かしくは思えど、鼻で笑うようなものではなかった、と。
なぜなら、過去になったとしても、その愛が消えることはなかったからです。
少なくとも、香りや情景を鮮明に思い起こせるくらいには。
まるで風船のような
膨らんで、飛んだら…
膨らんで 膨らんで 飛びます 飛びます Balloon Balloon
縮まって 縮まって 伸びます 伸びます Balloon Balloon
膨らんで 膨らんで 割れます 割れます Balloon Balloon
出典: Balloon Balloon/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
空気が入って大きくなればなるほど、風船は高く高く昇っていきます。
けれど、中に入れた空気の量が多すぎたら。
あるいは、空高く飛びすぎて、上空で気圧がかかってしまったら。
風船はあえなく割れてしまいます。
はじけて割れたら、終わるもの
風船が心の比喩だとしたら、と先述しました。
最初はたった「スプーン一杯」だったもの。
それが「君」に飲み込まれたのち、2人の中で大きくなりすぎてしまったのかもしれません。
最後の「Ballon」という歌の直後に入る、パァン、と割れてしまったような音。
それとともにあっけなく、演奏は終わります。
そしてわずかな残響が、ほんのりとした虚無感を漂わせた余韻を残します。
まるで、空っぽになった秘密の部屋の中で立ち尽くしているかのように。
小さくて、大きいもの
大切なファクター
さて、この「スプーン一杯」。
2019年にTHE YELLOW MONKEYが行ったツアーでも重要なキーワードとして使われていました。
ツアータイトル「GREATFUL SPOONFUL」=「感謝の一さじ」です。
観客からの一さじ分の気持ちを加えて「9999」を次の桁、ステップに向かわせてほしい。
そんな意味が込められています。
「部屋」と「今」
未来は見ないで 今はここにいて 昔のことだけ 話したっていいから
未来は未来で 大きな口を開けて 笑ってるのかな それならいいけれど
愛とは何かを知ったその朝に 僕らはこの部屋出て行くのでしょう
出典: 未来はみないで/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉