震える手が灯すランプの灯

小さく震える手にはマッチ 今にもランプに火を灯す
闇に凍えるこの身を救う 最後の術はこの身の中に

出典: ランプ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

今まで自分を支えてくれていたランプが実は自分自身だと知った主人公。

今度は自分でランプに火を灯し、自分の力で歩き出す番です。

自分で歩き出すのはとても勇気が要ります。

主人公の「小さく震える手」が不安や自信の無さを物語っています。

これまで闇に迷い込んだ時はランプが道を照らし、その身を温めてくれていました。

今、「闇に凍えるこの身を救う」のは他でもない自分自身です。

自分自身を救う「最後の術はこの身の中」にしかないのです。

震える自分を鼓舞する声

夢や理想 愛 安心の類 それを手にするチカラが情熱
小さく震える手にはマッチ 僕らが僕らに呼び掛ける声

出典: ランプ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

ポッケに穴が開いて落としてきてしまった「夢や理想」。

ひったくられてしまった大事なカバンにしまっていた「愛」や「安心」。

それらをもう一度手にする為に必要なものは「情熱」です。

かつて「情熱のランプ」が照らしてくれた道を今度は自分が照らし出します

自分自身の情熱に火を灯す手が小さく震えています。

勇気を振り絞る主人公の背中を押す「僕らが僕らに呼び掛ける声」

それは主人公が、自分自身を鼓舞する声なのでしょう。

知らなかった自分を知ることで得た自信

【BUMP OF CHICKEN/ランプ】ファンタジーな歌詞の意味に迫る!ランプが表しているのは誰?の画像

自分という存在の心強さ

ようやく聞こえた やっと気付いた 泪を乾かすチカラ
当たり前の事に気付いた 自分自身知らなかった自分自身

出典: ランプ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

自分の内側から聞こえる声が「ようやく聞こえた」主人公。

自分の秘めた情熱に「やっと気付いた」主人公は、泪を乾かすチカラを手にします。

「当たり前の事」とはいつでも自分は自分と共にあり、孤独ではないという事です。

そんな自分自身の中に常にいる、力強い自分自身の存在に気付いたのです。

自分自身の情熱に火が灯る時

落としたモノ 失くした類 探す道を歩ける勇気
僕の中の情熱のランプ 今にもマッチは芯に触れる
今にもマッチは芯に触れる

出典: ランプ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

落としてしまった夢や理想、失くしてしまった愛や安心。

それを「探す道を歩ける勇気」を主人公は手にしました

それは自分自身との出会い、自分自身の発見がきっかけだったのかもしれません。

ようやく出会えた、やっと気付いた、「僕の中の情熱のランプ」。

今にもマッチが情熱のランプの芯に触れようとしています

今はもうマッチを持つ手は震えていません。

マッチが芯に触れる、その寸前でこの曲は終わりを迎えます。

この曲のエンディングは様々な創造を掻き立てます。

ランプの芯にマッチは触れることができたのか。

火の灯ったランプを手に、主人公は夢や理想、愛や安心を取り戻すことができたのか。

そして、リスナーも自問自答します。

果たして自分自身の中にも「情熱のランプ」は存在するのか。

その存在に自分は気付いているのか。

リスナーが主人公に自分を投影して聴くとまた違った解釈が生まれます

まとめ

BUMP OF CHICKENの記念すべき第1作目にして、すでに世界観の完成された「ランプ」。

その後日本の音楽シーンの第一線を走り続ける彼らにふさわしい渾身の一曲です。

今回はデビューシングルをご紹介しましたが、その後発売された曲の記事をご紹介します。

彼らの進化、また変わらない世界観をご覧ください。

2000年にメジャーデビューを果たした4人組ロックバンドBUMP OF CHICKEN。2001年にリリースした「天体観測」は彼らの代名詞とも言える曲です。今回は、「予報はずれの雨がキーワード」「答えの無いところに答えを探す歌」といった観点から「天体観測」の歌詞に隠された意味を紐解いていってみたいと思います。

今年で結成20周年を迎えたBUMP OF CHICKEN。2014年には新たな名曲「ray」が生まれました。初音ミクとのコラボや様々なメディアとのタイアップなど精力的に活動する彼らの新しい代表曲「ray」について私なりに咀嚼し、解説していきたいと思います。

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね