ダビングシーンってどんな曲?
回想と出発を予感させるセツナソング、そしてパラレルスペックとの関係性
ご存知「ゲスの極み乙女。」も結成している川谷絵音によるバンド。
当時「ゲスの極み乙女。」と揃って「雨」をテーマにしたアルバムリード曲でした。(「ゲスの極み乙女。」のアルバムリード曲は「パラレルスペック」となっています。)
同時期のリリースでもある同テーマの2曲。
絵音さんがラジオで話していたのですが、「ダビングシーン」と「パラレルスペック」は似せて作っているそうです。
共通点としては前述の「雨」の他にもサビのコードが一緒なんだとか。
その辺りにも注目して聞いていきたいですね!
収録アルバム「あの街レコード」とメジャーデビュー
メジャーデビュー作である3rd mini album「あの街レコード」に収録されている楽曲です。
2014年の4月2日リリース。リリースから結構立ちますが色褪せない名曲だと思います。
アルバムタイトルも何だか今風でない、レトロ感があっていいですね。川谷絵音の色んな感情が表現されたアルバム。
昔懐かしい喫茶店でじっくりと聴いてみるのも、新しい発見があって楽しいかもしれません。
儚さとその裏の様々な感情が折り重なる歌詞
もちろんフロントマンによる川谷絵音による作詞・作曲です。
僕らは止んでた雨に手を振って
息をするのも忘れていた
ちょっとだけ悲しくなったんだ
出典: ダビングシーン/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
時が止まったままの現在。
"止んでた雨"で直接的にストップしたイメージを連想させつつ、"息をするのも忘れていた"と。
もはや生きる理由が見当たらないぐらいの感じも受けますし、目を背けている状態にも思えます。
悲しいという言葉はポロっと漏れる本音のようですね。
1番
ねえそんな荷物を
持ってどうしたの?
尋ねる君の声少し掠れていた
なんだっていいだろ
とは声に出せずに
下手くそな不機嫌演技
披露したんだっけ
出典: ダビングシーン/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
"そんな荷物"はとても曖昧にも思えるのですが、重いものにも感じますね。
吹っ切ろうとしても吹っ切れない何か。
だからこそ君の声が掠れていたのかもしれません。
そんな感情はとてもじゃないけど人に話しづらいものです。ほっといてくれよって主人公の心境でしょうか。
こっちから突き放そうとしても、思い切った決断を出来ない葛藤もあるのかな?と思いました。
またこのシーンが(またこのシーンが)
再生された(再生された)
また耳を塞いだ(また耳を塞いだ)
君はいい加減呆れてる
もう何回目?(もう何回目?)
見続けるつもりなんだ
わかってるけど
わかってるけど
出典: ダビングシーン/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
"またこのシーンが"
脳裏に焼き付いて離れない記憶なのでしょう。
MVの所でも書いたリフレインするようなギターリフと相まって蘇ってくるようです。
ダビングを表現したコーラスも見事ですね。
同じことを繰り返すというのは時々怖くもあります。
僕らは止んでた雨に手を振って
息をするのも忘れていた
乗り捨てた自転車にまた乗って走り出した
もう何度も言葉を飲み込む君の顔が浮かんだからさ
そっと帽子を深く被った
出典: ダビングシーン/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
1番は全体的に喪失感が強いですね。ギターのメロディも泣いていて自身の体験と重なりそうな。
"そっと帽子を深く被った"とは「心を閉じた状態」なのかなと。
あまりの悲しさに目を背けられない。それならいっそ自分から世界を閉ざしてしまおうと。