【JINGO JUNGLE/MYTH & ROID】「幼女戦記」の世界観を表現した歌詞の意味を解釈！

『幼女戦記』とは、カルロ・ゼンさん（イラスト：篠月しのぶさん）によるライトノベルが原作となったアニメです。

当初タイトルだけを見た時には、可愛い女の子が出てくる萌え系のアニメなのかと思ってしまった私でしたが、実際に作品を見てみると、内容に引き込まれてしっかり最終話まで楽しむことが出来ました。

またOP・EDの楽曲や作中のBGMも作品とマッチしていたことにより、毎週の放映がとても楽しみな作品でもありました。

始まりのシーンは21世紀初頭の日本で、合理主義を貫くエリートサラリーマンの主人公は、同僚の逆恨みによって命を落とすことになります。

そして死後の世界で創造主と名乗る存在Xは、主人公の余りにもリアリスティックな言動や無信仰ぶりを咎め、戦乱の世界で苦労させ、信仰を取り戻させることにします。

そして主人公は孤児の少女、「ターニャ・デグレチャフ」として別世界で転生することになり、戦乱の国にある孤児院で目を覚まします。

戦乱の国のイメージとしては、第一次世界大戦や第二次世界大戦中のヨーロッパに似たある国「帝国」が舞台となっています。

そしてその帝国軍へ入隊し、兵士となり、敵国と戦い、主人公自身が理不尽だと感じる状況に何度も追い込まれながら、その合理的判断によって状況を回避していく姿が描かれています。

また、物語の世界ではターニャ・デグレチャフ自身もその才能を開花させた「魔導士」と呼ばれる人々が存在し、ファンタジックな世界観も併せ持って居ます。

白く透き通った肌を持つ金髪碧眼の幼女で、転生した時点で9歳の設定です。

転生する以前の記憶を持っており、貧しい孤児院での暮らしから抜け出すべく士官学校へ進み、わずか9歳で将校となります。

転生後も徹底した合理主義は変わりませんが、その高い合理性と判断能力、分析力によって、「勇ましい」「戦闘狂」と認識され、敵味方から畏怖される存在になっていきます。

主人公自身は合理的な判断によって安全な後方任務に就くべくキャリアを積んでいくのですが、軍規を守らない部下を処刑したことも手伝い、戦闘狂のイメージを持たれてしまいます。

そして戦争の混乱と言う狂気の中に身を置き、とくにその能力の高さから前線の激戦地へ送られることも多々あったために、よりそのイメージが増長されていく結果となっています。

MYTH & ROID（ミスアンドロイド）のMayuさんが歌う「JINGO JUNGLE」は激しいビートと荒々しい雰囲気を併せ持った楽曲になっています。

既に何度も聞いていらっしゃるという方も、MVと合わせて是非再度聞いてみて下さい。

タイトルの「JINGO JUNGLE」の単語を個別に訳すと、まず“JINGO”については蔑称として好戦的愛国主義者という意味になります。

そして“JUNGLE”は私たちの想像する木の生い茂ったジャングルを由来として、法律などで整備されていない無法地帯、生死が常に背中合わせの場所という意味に解釈できます。

その２つの意味を合わせ、アニメの中で「愛国者」といった言葉やフレーズが多々出てくることからも、好戦的愛国主義者たちの跋扈する滅茶苦茶な世界、といった意味として捉えられるのではないでしょうか。

MYTH & ROIDの公式サイトには歌詞が掲載されており、また英語の歌詞の部分には日本語訳が付いています。

歌詞を考察するにあたり、特に注目したいのはサビの部分です。

公式サイトの歌詞の和訳でも、JINGO（複数形jingoes）を愛国者、JUNGLEを弱肉強食の無法地帯、と訳しています。

つまり主人公ターニャの転生した世界は「愛国者たちのひしめき合う弱肉強食の無法地帯」であり、戦争をテーマとしていることがはっきり分かる内容になっています。

そして次にAメロ部分の歌詞も見て行きましょう。