SPARK/THE YELLOW MONKEY
A面B面どちらも名作!
今から22年前、1996年の7月にリリースされた10枚目のシングル「SPARK」。
再結成後も、ライブでは観客を“SPARK”させるほどに盛り上がる楽曲でもあります。
まさにノリにノっている時にリリースされ、バンドでの売り上げでは歴代第3位。
ファンによる人気投票でも毎回上位にランキングされるほどの人気曲です。
イントロから飛ばしまくり、虜になってしまうギターソロととにかく勢いを感じさせる楽曲となっています。
カップリングは「MOONLIGHT DRIVE」。
今見ても、震えるPV
白・黒・赤を基調としたこのPV。
いかがですか?
時代を感じさせないどころか、今見てもその格好良さはトップクラスでしょう。
そして、スタンリー・キューブリック監督の元で製作された作品『時計仕掛けのオレンジ』がPVの構想に加えられています。
関連する要素を探しながら見てみるのもまた楽しみの1つですよ。
ちなみにPV内に登場するUFO。
こちらは東急ハンズで仕入れられたそうです。
オリジナルアルバムに収録されていない!?
シングルとして生き残っている作品
「SPARK」及び「JAM/Tactics」のリリース時は、レコード会社の移籍問題にぶち当たっていた時期でもあります。
売り上げも右肩上がりの時期だったので、それはそれはバタバタ・ゴチャゴチャしていたでしょう。
そして移籍が決定し「SPARK」は日本コロムビアでの最後の作品となりました。
そんなこんなで大人の事情もあり、「SPARK」「JAM」はオリジナルアルバムには未収録となったわけです。
余談ですが、「JAM」と両A面としてリリースされた「Tactics」は5枚目のアルバム『FOUR SEASONS』のリリース後にシングルカットされた楽曲なのでオリジナルアルバムには収録されているということになります。
はっきり言って、エロ全開!
“エロス”
数本THE YELLOW MONKEYの楽曲をご紹介させていただいてますが、何度この言葉を使ったことでしょう。
しかし「SPARK」に於いては、完全に夜の大人の裸での愛の儀式をモチーフに書かれた楽曲なのでどうしようもありません。
1度聞いただけでも分かると思いますが、苦手な方、耐性のない方もいるでしょう。
NGにならぬよう、可能な限り遠回しにご紹介したいと思います。
2人だけの夜を始めよう
痛みを伴う快感
目を閉じて始めようこの夜は誰のものでもない
唇を噛み合って目眩がするほど抱き合って
確かめたい生きていたい
出典: SPARK/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
2人だけの時、空間、美しいこの夜は2人だけのもの…
こんな風に誘われてみたいものです。
と、私の願望は置いといて、歌詞を読み進めてみましょう。
“唇を重ね、抱き合う”なんて言葉は、他の楽曲や書籍などでも目にすることもあると思います。
しかしここでの表現は“噛み合う”や“目眩がするほど”と場合によっては痛みも伴い、相手の肉体にダメージを与えかねないもの。
痛みを感じることによって他に感じ取れるものがあるのかもしれません。
ここではまだ推測にすぎませんが。
自分だけのものだからこそ愛しい
銀色の大空に輝く 素敵な星を見た
彼方までもう少し 本当の君の顔が見える
愛してたい
頭の中で絶望の花が咲き乱れても
(are you ready spark?)
出典: SPARK/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
脇目も振らずに走っている最中で見えたのは幻想の中での宇宙空間。
その宇宙空間の果てには辿り着きたい星が。
ここでの“彼方”とは“果て”であって、果てることを意味する“絶頂”ではないのでしょうか。
そして野生的で理性を失い、欲望に正直になっている表情。
普段は見せることのない、今の自分にしか見せないその表情こそが本当の君の顔。
その独占欲と征服感が1つになった時、さらに愛情が増している様子が窺えます。