「白いマフラー」2−Aパート
窓枠の隅に置いてた小さな声が聞こえる
そんな優しいメロディー覚えてないや
君がいつか歌ってた
そうなの?
出典: 白いマフラー/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
まるで、ここにいないはずの「君」と僕が会話しているように感じますね。
たとえば部屋の片隅のオルゴール。僕はそれを口ずさみます。
それを聞いた「君」は、聞いたことがないメロディだと言うのです。
でもそのオルゴールは彼女が持ってきたもの、もしくは彼女が気に入っていたもの。
君が口ずさんでたはずだよ、と指摘すると、他人事のような返事をされてしまいます。
三つ数えて僕は知ったよ
掴む手は暗くて見えない困ったな
簡単なほうさ
君があったのは
そんなの分かってると叫んだの
出典: 白いマフラー/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
こちらも2人の会話のような気がします。
選択を迫られた「君」は、その選択肢が見えないとごまかします。
しかし「君」が過去に選んだ結末も、これから選ぶ結末も僕は知っています。
だから冷静に「君が選ぶのはこれだよ」と教えようとするのです。
言われなくても自分が一番分かってる!そう「君」が叫びました。
「君」は、それを選びたくて選んだのでしょうか。
逆再生された彼女は、それを選ぶべきではなかったと感じているのではないでしょうか。
「白いマフラー」2−サビパート
誰か頼って言葉背負って
音を鳴らしてるの
わざと笑って答えを出すのでも・・・
目合わせたら君はどんな顔するんだよ?
寒そうな朝に聞いた・・・
出典: 白いマフラー/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
本心で答えを出しているようには見えない「君」に気づいた僕。
「君」はごまかし笑いを浮かべながら、重大な答えを告げて目を逸らしたのです。
僕はそのとき、「きちんと目を見て言え」とは言えなかったのでしょう。
目を合わせれば「君」がボロを出すことが分かっているから。
想いを閉じ込めてごまかして笑ってでも、この場から去りたい理由がある。
僕はその理由を追求せず、彼女を尊重したのだと考えます。
そして今僕は、逆再生の「君」に訊ねたのです。
あのとき、視線を合わせて話をしていたら、君の答えは変わっていたのかい?
彼女がマフラーを置いていった冬の朝、僕は何かを変えることができたのかもしれません。
二度と戻れない道を戻ってしまった2人
MVに出ている女性の服装に注目しました。
階段を後ろ向きに降りていく女性は7分袖の白いワンピースを着ています。
そして中盤ではホットドリンクと思われるものを飲みました。
最後、マフラーを巻いて踊る彼女は、半袖のワンピースを着ています。
もしMVの時間が逆に流れているのだとすれば……。
- 夏にマフラーをもらう
- 喜んで踊る
- ホットドリンクを飲む季節=冬がくる
- 冬の朝に別れる
- 七分袖の頃がきても僕はマフラーを畳み続けている
歌詞の中では「君」「僕」ともに、時間をさかのぼっているのではないでしょうか。
逆行を始めた当初は曖昧だった彼女の記憶は少しずつ鮮明になっていきます。
思い出したくないことも明確に思い出し、思わず叫んでしまうほどに。
間違った選択をしたこと、分かっていながらなにもできなかったことを互いに後悔します。
そんな歌詞の向こう側、MVにはなにが映し出されていたでしょうか。
白いマフラーを首に巻いた半袖の「君」が、幸せそうな満面の笑みで踊っていました。
思い返してみれば、二人が幸せになる方法が他にもあったのかもしれない。
二度と戻らない日々を戻ってしまった2人は、果たして幸せなのでしょうか。
あなただけの「白いマフラー」を
indigo la Endの「白いマフラー」、皆さんはどのように受け取りましたか?
あくまで私の解釈であり、リスナーの数だけ「白いマフラー」の物語があります。
それにしても、インディーズデビューからこんなに意味深い曲をリリースしていたんですね。
耳障りのいいライトな音と、底が見えない歌詞の世界。
indigo la Endの魅力がギュッと詰まった一曲です。
indigo la Endの歌詞に染まるなら「瞳に映らない」
PVと歌詞のリンクがたまらない一曲です。
【瞳に映らない/indigo la End】歌詞を紐解くと悲しい恋の結末?!波瑠出演のPVが泣ける! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
ゲスの極み乙女。の川谷絵音率いるindigo la Endのメジャーデビュー曲。歌詞の真実を知ればきっとあなたも涙が出るはず。切なさ極まるPVも必見!