音楽が好きな人はやっぱり、CDという形で曲を大切に残しておきたいものです。
今はYouTubeで「白いマフラー」のMVを聴けるわけですが、それでもCD化を望む声は止みません。
MVと音源がセットで発売されたら、一番嬉しいですね!
やわらかな印象のMVに込められた秘密とは
CDが手に入らない今、このMVを何度もご覧になったのではないでしょうか。
ふんわりと優しい空気をまとった映像ですが、撮影・編集方法に特徴がありますね。
逆再生+スローの効果を高めている小道具
部屋にあるマフラーがふわっと浮き上がったり、階段を後ろ向きに降りる女性がいたり。
このMVは逆再生で作られていることは容易にわかります。
さらにスロー再生にもしてありますね。
全体的にやわらかくて、優しくて、羽根に触れているような印象を受けませんか?
このMVに出てくるマフラー、白い球体、女性の白いワンピース、部屋の中を埋め尽くす紙吹雪。
これら全てが軽いもの、風に揺れるものだからそういった印象を強く受けるのでしょう。
女性が後ろ向きに走っているのを見れば「逆再生」だと明らかに分かります。
でもマフラーが浮かんだり、白い球体が跳ねたりするのを見るだけでは判断が難しいですよね。
絶対的なものと、曖昧なものがひとつの映像の中に詰め込まれている。
だからこそ、見る人の興味を駆り立てるのでしょう。
時間はどちらに流れているか
冒頭、部屋の中に浮かんだ白いマフラー。
終盤では女性がそれを首に巻き、最後はキレイに畳まれてテーブルの上に。
MVの流れはこのようになっています。
しかし、逆再生されているMVです。MVの中の時間も逆方向に流れているとしたら……。
キレイに畳まれた、買ったばかりの白いマフラー。
よろこぶ女性がそれを首に巻き、踊る。
しかし最後にマフラーは部屋に置き忘れられてしまう。
この解釈のほうが、MVの意味が通りやすいように感じませんか?
歌詞にヒントが隠されているのでしょうか?
白いマフラーの歌詞にせまる
「白いマフラー」1−Aパート
君が忘れたマフラー
もう何度も畳み直してた一人で
取りに来ないのは分かってる
僕がふやけたメロディー
歌うだけ・・・
出典: 白いマフラー/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
好きだった人の家に忘れたマフラー。
自分にとってどうしても大切なマフラーなら取りに行くかもしれません。
でも、捨てられても構わないマフラーだったら?
「好きだった人」にもらったマフラーだったら?
彼女がマフラーを取りに来ないことも、その理由も分かっているのでしょう。
だけどマフラーからも思い出からも離れられません。
彼女と過ごした幸せな日々というぬるま湯に浸かりながら歌を歌うのです。
「白いマフラー」1−Bパート
夜中の合図で走ったね
自転車を押す僕に掴まって
坂上のコンビニが見えたら
後少しで広い道に出るよ
出典: 白いマフラー/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
頭から読んでいくと、自転車を押しながら走る彼に、彼女が掴まっています。
ちょっと……邪魔ですね。
コンビニが見えてからその先に広い道があるということでしょうか。
コンビニは広い道路に面している気がするのですが。
試しに、逆順に考えてみました。
もうすぐ大きな道に出る。まずはコンビニが見えてくる。
そうしたら自転車を押している「僕」に掴まってもらう。
そして二人乗りをして走っていく。
どうでしょうか?このほうが意味が通りやすいように思うのですが。
「白いマフラー」1−サビパート
誰か頼って言葉背負って
音を鳴らしてるの
わざと笑って答えを出すの
でも・・・
出典: 白いマフラー/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
二人の間の重大な決断の場。答えを迫られているのは彼女なのでしょう。
しかし彼女から聞こえてきた答えは、どこか借り物のような言葉ばかり。
誰かに教えられたとおりの言葉で声帯を震わせて声にします。
笑える話などではないはずなのに、笑顔で取り繕う彼女。
そんな姿に彼は疑問を抱くのでした。