早速どう解釈したら良いのか迷う、抽象的なフレーズが並びます。点と点をつないで線ができる。つまり人の行先、人生の道を表しているのでしょう。来た道か行く道かわからないというのが、この歌の詞が、哲学的なものであるのを示唆しています。
線と線を結ぶ二人
やがてみんな海に辿り着き ひとつになるから
怖くないけれど
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線と線は、人と人の人生が交錯して行くことを意味しています。どう交錯しようが結局最後には、川の水のように大海に流れ着くのだから、あの人とは関わりたくない、あの人と一緒になりたいなどと一喜一憂してもしょうがないけれど、ということでしょう。
Oh Oh いくつもの河を流れ
わけも聞かずに
与えられた名前とともに
Ah Oh OH 全てを受け入れるなんて
しなくていいよ
私たちの痛みが今 飛び立った
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これはどうやら輪廻転生のような宗教観が根底にあるようです。無数の経路を経てそれぞれ役割を与えらえ名前をつけれるものだが、無理して役割を演ずる必要もない。再び生まれ変わるのだからということでしょう。
痛みが飛び立ったというのは、死あるいは生まれ変わりを示唆しています。
二回転目
二回転目というのは生まれ変わって二回目の人生くらいの意味でつけました。前回は自分の役割に押しつぶされそうな、少し苦しげな人生だったみたいですが、今回はどうでしょう。
剣と剣がぶつかり合う音を
知る為に託された剣じゃないよ
そんな矛盾で誰を守れるの
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剣は自分の武器をのこと意味しています。ここでいう武器は物理的な意味ではないでしょうが、軍事的、政治的に捉えるとこれは、ちょっと今の世界情勢を言い当てているようでドキッとしてしまいます。世の中きれいごと言っても渡って行けないよ、守るためにあるんじゃない、攻めるためにあるんだと。
もちろん、攻めるといっても積極的に人生を切り開いて行くんだという意味で、軍事的な意味ではありません。
最後
Oh Oh 何度も姿を変えて
私の前に舞い降りたあなたを
今日は探してる
Oh Oh どこでも受け入れられようと
しないでいいよ
自分らしさというツルギを皆授かった
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Oh Oh 時には流れを変えて
何も持たずに
与えらえた名前とともに
Ah Oh Oh 全てを受け入れるなんて
しなくていいよ
潮風に向かい鳥たちが今飛び立った
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自分らしさというツルギは、つまり個性ですね。みんな誰しもそうした武器を持っているのです。だから、自分らしく、無理に周りに合わせることなく自分の道を切り開いて行けば良いということを言い表しています。
歌詞のまとめ
「DEEP RIVER」 は、それぞれの孤立した奥深い山間の水源から発した、川の水のような私たちが、それぞれ色々な経路を辿って、川の流れのように人生を送り、またその途中で生まれ変わり、また人生を送り、途中、川が合流したり離れたりしながら、それでも最終的には同じ大海に注ぐ様を歌っています。
遠藤周作の作品はガンジス川が舞台だったと思いますが、確かに内容は両作は共通するものがあると思います。ともに人間の根底にある宗教的メッセージを感じます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?やっぱり宇多田ヒカルは、奥が深いですね。アメリカ育ちでありながらこれだけ日本文学にも造詣の深い彼女は、人間活動から出産も終え、再びアーティストシーンの最前線に戻ってきました。彼女は今後、どんな新しい世界を作品の中で見せてくれるのでしょう。彼女の哲学的な変遷にも目が離せません。
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