ずっと真夜中でいいのに。【正しい偽りからの起床】1stミニアルバム全曲解説！歌声が導く目覚めの真意は

「正しい偽りからの起床」はずっと真夜中でいいのに。の1st ミニアルバム。

2018年11月14日に発売され、発売後瞬く間に人気となりました。

翌年の2019年にはCDショップ大賞に入賞するなど、その実力が評価されています。

収録曲は12曲で、うち6曲はinstrumentalです。

発売されたのは初回限定盤と通常盤の2パターン。

初回限定盤には豪華なパッケージと共に、MVアート集とコード譜がついてくるという特典付きです。

ずとまよの世界観があふれ出す素敵な仕様にワクワクしてしまいます。

このアルバムのタイトルは「正しい偽りからの起床」。

いったい"正しい偽り"とは何を表しているのでしょうか。

収録曲を通して聴くと、やはり"偽り"に関わる物語が多く繰り広げられていました。

正しい偽りを経験し、目覚めたときに見える世界とはいったいどんなものなのか。

収録曲の歌詞を見ながら探っていきたいと思います。

「秒針を噛む」はずとまよの処女作。

2018年6月4日、YouTubeにMVが投稿されて話題となりました。

その話題っぷりは、5日で10万回再生という数字にも表れています。

MVのアニメーション担当はWabokuさん。

ニコニコ動画で人気のアニメーターで、ずとまよの独特な世界観を巧みに表現しています。

「秒針を噛む」で表現されているのは、"偽りの毎日"。

歌いだしはこのような歌詞で始まります。

造られた生活の中であると知りながらも従順に毎日を過ごしている主人公。

しかし、そこにはあらゆる違和感が存在しています。

嘘を繰り返し、その度に心の奥底にモヤモヤしたものが溜まっていく。

そんな生活にさよならを告げることもできず、ただ時間だけが過ぎていくのです。

そんな偽りの毎日に苦しみ続ける主人公。

いったい何のためにそんな生活を続けているのでしょうか。

主人公は誰かにかなり執着しています。

しかし、その人にはすでに他の生活があり、自分のものにはならない。

それでも奪い去って自分のものにしてしまいたいと考えているのです。

例え分かり合えなかったとしても。

相手から出てくるのは心のない謝罪のみ。

それでも主人公は一途に想い続けているのです。

曲の最後は呪文のような言葉で締めくくられます。

明確にはなっていませんが、おそらく"ハレタ"は晴れた。

そして"レイラ"はアラビア語で夜や女性を意味する言葉です。

暗い夜からの脱却を意味するようなこの歌詞。

アルバムタイトルにもある通り、偽りから目覚めたという意味なのではないでしょうか。

確かに偽りではあったものの、主人公にとってはすべてが虚構ではありませんでした。

その生活は確かに存在していて、主人公にとってそれは正しい毎日でもあったのです。

だからこそ、"正しい偽りからの起床"と表現できるのだと考えられます。

さらに詳しい考察はこちらの記事もご覧ください。