カップリングナンバー『雨のち晴れ』
『雨のち晴れ』はMr.Childrenの楽曲の一つで、1995年5月にリリースした8枚目のシングル『【es】 〜Theme of es〜』のカップリングナンバーとして収録されました。
因みにリリースの1995年5月は、メジャーデビューからちょうど3年です。
4枚目アルバム『Atomic Heart』の収録曲でしたが、シングル『【es】 〜Theme of es〜』ではリミックスバージョンとしてカップリング。
当初はライブ用に制作されましたが、大きな反響を呼んだためリリース曲として誕生した経過があります。
HIPHOPを絶妙に取り入れたサウンド
『雨のち晴れ』で特徴的なのは、スローなテンポでありつつもポップなサウンドにあります。
それも軽快な感じのポップさではなく、まるでHIPHOPのようなゆったりした印象。
そこにベースギターのサウンドをしっかり取り入れて、楽曲をイメージした日常感を出しています。
更に『雨のち晴れ』のイントロではDJサウンドを取り入れて、よりHIPHOP風な曲調にしているのがポイントです。
演奏時間は最長の9分36秒!
シングル『【es】 〜Theme of es〜』の、カップリングとしてリリースされた『雨のち晴れ』。
なんと演奏時間は9分36秒という、Mr.Childrenの歴代ナンバーの中でも最長を記録しています。
アルバム『Atomic Heart』内での『雨のち晴れ』は5分34秒でしたが、リミックスバージョンということもありさまざまなアイデアが取り入れられています。
最も印象的なのが曲の間にボーカルの桜井和寿が、日記を朗読している様子。
曲の中の登場人物になりきり、日々の事柄を淡々と話しています。
他にも「雨音」をそれとなく取り入れるなどして、楽曲にはさまざまな趣向がなされています。
共感しやすいサラリーマンソング
『雨のち晴れ』で伝えたいのは、社会人としての淡々とした日常。
職場の上司の小言や、両親や友人にもいろいろ言われるけど開き直ってちょっとずつ前に進もう。
そんなメッセージが伝わるナンバーです。
そこに社会人として感じる陰鬱(うっとおしい)な思いや、のんべんだらり(だらだらしている)な日常を、ジメッとした雨に例えてタイトルとも掛け合わせています。
まったりした質感のサウンドも、歌詞のメッセージともしっかりマッチしているのがいいですね。
歌うのは桜井和寿じゃなかった?!
奥深さがあり難解な歌詞も多いMr.Childrenのナンバーの中で、比較的ストレートなメッセージが込められているのが『雨のち晴れ』です。
Mr.Childrenの楽曲は、同ナンバーを含めてほぼすべて桜井和寿がボーカルを担当します。
しかし『雨のち晴れ』のボーカル担当は、本来別の人物が歌うはずでした。
その人物というのが通称JEN(ジェン)、Mr.Childrenではドラムを担当する鈴木秀哉その人です。
というのも『雨のち晴れ』は、「鈴木秀哉がサラリーマンだったらどうなる?」というコンセプトで作られた楽曲。
このためボーカルも鈴木秀哉で決まっていたのですが、できあがった曲が傑作だったため桜井和寿が歌いたくなり、結局ボーカルが変更になった過去があります。
しかも歌詞の一部は実際にメンバーの目の前で起きた出来事も含まれているため、ドラムの鈴木秀哉は演奏中に可笑しくなることもあるのだとか。
『雨のち晴れ』の歌詞を深堀りしてみる
カップリングとは言え、好んで聞く人も多いほど隠れた名曲である『雨のち晴れ』。
そんな同ナンバーの歌詞をじっくり読み解いて、より深く共感してみましょう。
のんべんだらりな日々
単調な生活を繰り返すだけ
そんな毎日もいいさ
親友との約束もキャンセルして
部屋でナイターを見よう
出典: http://lyrics.wikia.com/wiki/Mr.Children:%E9%9B%A8%E3%81%AE%E3%81%A1%E6%99%B4%E3%82%8C