濃いめのココアという言葉を聞いて皆さんはどのような味を想像するでしょうか。
筆者は「甘さは感じつつも、苦さがある」というイメージが思い浮かびます。
そして濃いということは、ココアを作る上で使用する粉末が多いということ。
それを考えると、きっと口の中には粉の感じが残りますよね。
初恋を表現する方法として、まふまふはこのような“濃いめのココア”を取り入れています。
“軽い羽”のような存在
誰と天秤にかけても
軽い羽のような 君を乗せて
あの空を下る
出典: ハートの後味/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
歌詞では恋した相手を“軽い羽”という言葉を使って表現しています。
その存在は少し気を抜くとどこかへ行ってしまうんじゃないか、なんて思うことも。
初恋に限らず、恋した相手というのは不思議な存在です。
恋するまでは他人と変わらない、普通の存在だったはず。
しかしそれが恋をすると、今までとは違った姿で見えるのです。
夢と“ほどけた夢”
不意に肩をくすぐった 君の体温も
この時間の端だって 僕の物なら
ほどけた夢と 季節の車窓で
出典: ハートの後味/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
好きな人がいる時、私達人間は色々なことを想像してしまうものです。
一緒にご飯を食べている様子、あるいは2人で歩いている様子を想像する人もいるかもしれませんね。
この想像は人によって全く異なってくることだと思います。
しかし、共通して言えることは「好きな人のことを考えてしまっている」ということ。
ぼーっとしている時、気付けば好きな人のことを考えていたり。
この歌詞からは、そんな想像も自分の夢でしかなかった、という現実に戻される様子がうかがえます。
“初恋”のギャップ
いつしか僕らは大人になってしまったんだ
初恋は濃いめのココア
物語みたく甘くなれない
シナリオが彩られずに消えてしまうのなら
隠してしまおう
出典: ハートの後味/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
期待している時というのは自分で認識しているよりも、実はもっと大きく膨らんでいたりするものです。
そのため自分が思い描いていたものとは違った時、絶望するような感覚に陥るような気がします。
そしてその絶望は、期待の大きさに比例するものではないでしょうか。
その絶望を強く感じると、なかったことにしてしまいたいとも思えてしまいますよね。
この歌詞ではある意味、現実逃避しているようにも感じられます。
“筋書き通りの恋”
神様なんで
終わりが訪れるの
筋書き通りの恋なんて言わないでよ
出典: ハートの後味/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
恋愛の多くにはいつか終わりが来ますよね。
初恋となればなおさらのことです。
もしかすると、初恋の人と結婚したという人もいるかもしれませんが。
それでもやはり多くの人の初恋に、終わりが来てしまうと思うんです。
歌詞の言葉を使うなら“筋書き通り”ということになってしまうのでしょうか。
少なからず自分でも終わりを悟っていたとしても、いざ終わりが来れば「どうして」となってしまうんですよね。
わかっていてもそのダメージは大きいものです。
口元に残る“君が好きだよ”
初恋は思い出の中
口元に残る
「君が好きだよ」
もう一度君と会えたなら
知らないような...
知らないまま
笑っていいですか
出典: ハートの後味/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
こちらが最後の歌詞となります。
伝えられなかった「好き」という気持ちがまだ心残りになっているのでしょうか。
しかしその思いもどこかであきらめている様子。
そして相手に対する一途な想いはありつつも、その想いを心の中に封じようとしています。
恋した相手は違う相手に恋していた。
その現実が与えた影響は大きいものです。
たった1つのことがわかってしまったことで、自分の想いをずっと閉じ込めようとしてしまうんですから。