「氷の世界」/井上陽水アルバムの表題曲にもなった歌詞の本当の意味に迫る！筋肉少女帯も歌った名曲！

氷の世界を作詞作曲したのは井上陽水。アルバムは20枚以上発売している大御所シンガーソングライターです。1969年のデビューから第一線でずっと活躍を続けている人気歌手ですね。

サングラスがトレードマークの歌手と言えばお分かりになるのではないでしょうか。すぐに井上陽水とわかる特徴的な声の持ち主です。

氷の世界は同名のアルバムも発売しており表題曲ですね。

小学校の音楽の教科書に少年時代という楽曲が掲載されるほどの実力のあるベテラン歌手。

今回は歌詞が難解と言われている井上陽水の中でも、特に難易度の高い氷の世界の歌詞を解説しようと思います。

井上陽水の歌詞が難解な例としてパフィーのアジアの純真という曲が挙げられます。この曲の中で「白のパンダをどれでも全部並べて」という部分があるのですが全く意味不明です。

前後との関係もなく脈絡なくこのフレーズがいきなり登場するのです。難解というよりも不条理といってもいいかも知れません。

歌詞解説の前に曲調を紹介します。オリジナルバージョンを元に解説しますね。

ファンク調のベースとドラムが跳ねながらメインで活躍する曲。黒人ゴスペル調のコーラスが印象的。キーボードもファンク調のバキバキした音色を奏でます。

間奏ではハーモニカが登場。中盤からはピアノやホーンセクションも登場しビッグバンドの様相を呈しています。アメリカのファンクバンドに憧れてアレンジをしたのが感じられますね。

氷の世界は精神的に病んでしまった男の物語です。幻覚を見てしまったり苦しめられている状態が描写されています。

原因は分かりませんが失恋の痛手か職場内のいじめか、そんな精神的なストレスが重なって壊れてしまいました。

その男の目に映る奇妙な世界を見ていきましょう。

窓の外にはリンゴ売りの少女が見えます。しかし、本当にリンゴ売りは存在してるんでしょうか。男が作り出した幻覚かも知れません。

リンゴ売りの少女の正体は「リンゴ売りのフリをしている少女」だろうと疑います。疑心暗鬼になっている感情ですね。

とてつもない寒波が街を襲っています。気温的にも寒いのですが、男は病んでいるので心にも寒さを感じているのでしょう。

内（精神）も外も吹雪で寒すぎて家の外には出られません。この男は鬱傾向なのでしょうね。

暗い部屋の中でひとり男は指切りの相手を探します。しかし、そんな相手はいないのでブツブツと独り言を言っているのでしょうね。

ひとりではつまらないので誰かと交流したい男ですが、ひどく落ち込んでいるため誰とも会えません。そんな行動力もなくなっています。

でも、妄想の中では誰かと小指を絡めてスキンシップをとって仲良くしたいと思っています。精神的に追い詰められて時間だけが無為に流れていき、頬を涙が伝っていきます。

やっぱり、外は極寒の吹雪。心には吹雪が吹き荒れているだけ。

この男はひどい妄想にとりつかれています。人を傷つけたいという攻撃的で危険な欲望。ですが、思い留まります。

攻撃した後のことを心配しているのでしょう。警察に捕まったり、反撃される恐怖を感じています。

男はこんな自分の状況に対して他人に嫉妬を感じています。目標に向かって頑張る人に対して「できるわけない」と皮肉を込めています。ここで「ノーベル賞」というのは目標ということではないでしょうか。

そして男は強がります。自分がふるえているのは寒いからだと。自分の心が病んでいることを認めたくないようです。

そして、外を見ると再び極寒の吹雪です。氷の世界に閉じ込められているのですね。