渋谷系の王子様、小沢健二
1990年代、若者を中心に大人気アーティストとなった小沢健二。
「渋谷系の王子様」と称され、メディアでの振る舞いやファッションも注目されるなど、時代のシンボルともいえる存在でした。
ここでは、当時の音楽シーンから振り返ることで、小沢健二というアーティストに迫っていきたいと思います。
90年代の音楽シーンで大流行した「渋谷系」サウンド
時代とともに、流行の音楽は移り変わっていくものです。
その中でも、20世紀最後の1990年代には、「渋谷系」と呼ばれるジャンルの音楽が大流行しました。
「渋谷系サウンド」について明確な定義付けはされていないようです。
しかし、様々なジャンルの音楽をベースとして誕生した、都市型志向の音楽であるといえるでしょう。
作家でラッパーのいとうせいこうは、渋谷系サウンドは、「渋谷のレコード店に通い世界中の音楽を聴いたアーティストたちによって生み出された音楽」と評しています。
「渋谷系」とはどのような音楽なのか
渋谷系サウンドの定義については上で説明した通りですが、少し分かり辛いかもしれません。
渋谷系音楽が以前の音楽と異なる点は、直感的には次のような特徴で表せます。
また、当時は渋谷に出店したタワーレコードなど、CDショップ全盛期であり、特に渋谷を中心に流行の音楽が広まったという背景もありました。
小沢健二の登場と、大ブレイク
小沢健二が音楽シーンに登場したのは、1989年のことでした。
当時は、「フリッパーズ・ギター」という2人編成のバンドで活動。「渋谷系」の代表格とされる人気バンドでしたが、1991年に解散してしまいます。
しかしそこから、ソロでの音楽活動を開始。
ソロデビューと同時にメディア媒体への露出が増えると、そこでの知的で余裕のある振る舞い、発言やファッションが支持され、人気を博していきます。
さらに、1994年に発売したアルバム「LIFE」が大ヒットを記録。
自身も「渋谷系の王子様」と称され、紅白歌合戦に1995年、1996年と連続出場を果たすなど、時代の象徴ともいえる存在となりました。
活動休止、そして復帰
上記のように、大ブレイクを果たした小沢健二でしたが、人気絶頂の1998年、活動休止を発表。
ニューヨークに拠点を移し、音楽活動から遠ざかることとなりました。
時を同じくして、文化の象徴だった渋谷系ブームも21世紀に入り、終焉を迎えます。
しばらくの間、表舞台から姿を消しますが、2014年には「森田一義アワー 笑っていいとも!」にて16年ぶりにテレビ出演を果たすなど、徐々に活動を再開。
小沢健二の歌詞が素晴らしい曲10選【10位~6位】
90年代の音楽シーンを牽引する存在だった小沢健二。
その才能は誰もが認めるところです。
ここでは、そんなオザケンの歌詞が素晴らしい曲を、筆者独自の見解をもとにランキング形式で紹介していきます。
まずは、10位~6位について見ていきましょう!
小沢健二の歌詞が素晴らしい曲10位:ドアをノックするのは誰だ?
誰かにとって特別だった君を マークはずす飛び込みで僕はサッと奪い去る
出典: ドアをノックするのは誰だ?/作詞:小沢健二 作曲:小沢健二
誰かにとって特別だった君を奪い去る、ということはつまり、略奪愛のことを歌っているのではないか、と考えられますね。
略奪愛と聞くと、あまり良い印象は受けないものだと思います。
しかし、そのようなテーマを扱っているにも関わらず、「マークはずず~」、という軽快な歌詞によって、曲全体をさわやかなイメージに仕上げています。
このあたりのユーモアは、オザケンならではといえるでしょう。