宇多田ヒカル「Passion」
15枚目のシングル
宇多田ヒカル「Passion」は2005年にリリースされた15枚目のシングルです。本楽曲の英語詞のついたバージョンが「Sanctuary」というタイトルで発売されており、ややアレンジが異なります。
いずれもスクウェア・エニックスのゲームソフト「キングダム ハーツII」の主題歌として起用され、発売もゲーム発売と同時期に行われました。
シングルベストに収録
「Passion」は「Utada Hikaru Single Collection Vol.2」に収録されました。
2010年に活動休止を発表した宇多田ヒカルから発売された最後のベストアルバムということもあり、終止符として記憶に残すファンも多い1枚です。
自身の人生について深く考えていた当時の宇多田ヒカルの心の動きを色濃く残す作品が詰まったベストアルバムの中で、「Passion」もまた、完成するまでに時間を要した楽曲の一つです。
キングダムハーツⅡの主題歌
「Passion」は大人気ゲームシリーズ「キングダムハーツ」の第二作の主題歌として起用されました。
シリーズでは「光」「Simple And Clean」に次いで三曲目の主題歌となり、「キングダムハーツ」といえば宇多田ヒカルという印象が根付きました。
「キングダムハーツ」は、ディズニーの名キャラクターやそれぞれの物語の世界、そしてファイナルファンタジーのキャラクターたちなど、RPGやアニメを愛するファンならだれもが心をときめかせる要素を一つのゲームに詰め込んだ傑作です。
プレイステーションのRPGとしては異例の大ヒットとして名を残した本作は、その後ポータブルプレイヤーのスピンオフストーリー、漫画など様々なメディアミックス商品が発売されました。
男女問わずプレイしやすい簡易なゲームの操作性と、ディズニーなどの親しみやすい世界が舞台になったことがきっかけで、今までゲームをプレイしたことのない層も夢中になった「キングダムハーツ」。
その人気は、ゲームには珍しいアクセサリー商品などの発売からも見て取れます。宇多田ヒカルの「Passion」はこうしたゲームの人気にも支えられ、長く愛される名曲となりました。
「Passion」の動画をチェック
幻想的なアニメと宇多田ヒカルのコラボレーション
前半のアニメパートと後半の宇多田ヒカルパートにわけられる公式MVは、幻想的な物語を想像できそうな仕上がりです。
まるでおとぎの国の王女のようなドレスをまとった宇多田ヒカルが舞うシーンが印象的ですが、このダンスは宇多田ヒカル自身が考案したそう。
アニメパートは宇多田ヒカルがUtada名義で活動した際にもコラボレーションしている森本晃司が担当しました。
アニメに描かれる空の精霊のような存在は、宇多田ヒカル自身と考えられます。
壮大なスケールで描かれる草原のシーンや、マスクで顔を覆った出演者たちのシーンは全て中国ロケで撮影されました。
力を入れて撮影したMVであることが伺えます。
キングダムハーツの世界と楽しむ「Passion」
「Passion」にあわせて「キングダムハーツ」の物語の重要なシーンが繋がれるCM動画です。
運命に翻弄されていくキャラクターたちのセリフが重なることによって、「Passion」の感動が更に盛り上がります。
「キングダムハーツ」の主要人物たちは、過去に繋がっていた絆があれど、運命によってそれが引き裂かれます。
お互いのことを見つけ出すために冒険を繰り広げる主人公たちの物語は、「Passion」の歌詞にもリンクするのです。
歴代の「キングダムハーツ」シリーズは、世界各国で発売され、その全ての主題歌を宇多田ヒカルが担当しています。
そのゲームごとの世界観に応じたアレンジを加えて愛されてきた歴史を振り返る動画もありました。
各ゲームのオープニングでは、宇多田ヒカルの歌声にあわせてキャラクターが歌うシーンが組み込まれているものもあり、ゲーム内でいかに主題歌が重要な役割を果たしているかが伝わってきます。