おまじない、ただのおまじない
助けてくれるなんて大間違い
おまじない、ただのおまじない
すがっていたんだ

今日で終わりにしよう、なんとなく生きてきた昨日まで
今日で終わりにしよう、なんとなく吸う息の根を止めて

出典: 拝啓グッバイさようなら/作詞:DAOKO 作曲:多保孝一,TAKU INOUE,DAOKO

MVで彼氏と思わしき設定のカメラマンに噛みつく場面

過去への決別のメタファーを意図したシーンでしょう。

おまじない、すなわち他力本願にすがっていた過去の自分。

そんな行為で殻を破ることはできないと気付きます。

自分の弱い心との闘いに他人の助けは無意味です。

だからそんな昨日までの弱い自分に終止符を打つ決意をします。

なんとなく息を吸って生きてきた心の息の根を止めること。

それでようやく殻を破ることができるのですね。

拝啓グッバイさようなら、昨日の僕は殺した
拝啓 グッバイさようなら、新しい朝がくる
僕のために

出典: 拝啓グッバイさようなら/作詞:DAOKO 作曲:多保孝一,TAKU INOUE,DAOKO

昨日まで頑張って生き抜いてくれた昨日までの自分に敬意を込めて

拝啓、昨日までの僕。今日僕はあなたを殺します。

今は少しつらいけど明日になれば新しい僕と出会えるよ。

だから安心してね。昨日までの僕

DAOKOはこの曲に新たな自我を手に入れる決意を込めています。

ラップをせずに包み込むような歌声で歌われる「拝啓グッバイさようなら」。

曲調が軽やかなのは全てを脱ぎ捨てて自由に羽ばたける喜びを表現しているのでしょう。

新しい朝を迎えたけれど?

【拝啓グッバイさようなら/DAOKO】歌詞の意味を徹底解釈!新しい朝が来る…潔いさようならは何の為?の画像

大丈夫大丈夫、間違ってないはずだけど
大問題大問題、何がふつうがわかんない
無感動、不感症、飽きたらポイされ
吐き溜まりの街で、生きなくちゃ

出典: 拝啓グッバイさようなら/作詞:DAOKO 作曲:多保孝一,TAKU INOUE,DAOKO

弱い自分を殺して新しい朝を迎えました

あれ、まだ呪文を唱えてる?

大丈夫?大問題?

まだ生まれ変わった自分に戸惑いを隠せません。

美しい世界だと思っていた場所にはまだ「無感動」で「不感症」な人が溢れています。

そう、僕は鮮度に限りのある商品飽きられたら捨てられるだけ

こんな吐き溜りのような街で1人で生きていけるかな?

決意表明はしたけれどまだ不安な心が僕には残っているんだ。

だって僕は半端もの

でもそんな自分も受け入れて新しいことに挑戦しよう!

幸せは、前借りなんだ
散らかって、いたとしても
とりとめないのが僕だから
誰かのようにはなれないや
おまじない、ただのおまじない
救ってくれるなんて大間違い
おまじない、ただのおまじない、願っていたんだ

出典: DAOKO/作詞:DAOKO 作曲:多保孝一,TAKU INOUE,DAOKO

だって今の幸せはただの前借り

半端で、絵具を全部混ぜ合わせたような本来の僕

新しい朝を迎えたけれど結局僕は僕なんだ

誰かに救いを求めるようないつもの呪文。

あれはただのおまじないだったんだ!

だって念じることは自由でしょ?

新しい朝に不安を隠せなかったDAOKOは気付きます。

強くなるために弱い自分を殺したけれど。無駄な過去なんてない

弱い自分と向き合うことが強くなることなんだと。

昨日の僕は優しく語りかける

【拝啓グッバイさようなら/DAOKO】歌詞の意味を徹底解釈!新しい朝が来る…潔いさようならは何の為?の画像

拝啓グッバイさようなら、昨日の僕は殺した
拝啓 グッバイさようなら、新しい朝がくる
拝啓グッバイさようなら、昨日の僕は彼方へ
拝啓 グッバイさようなら、新しい朝と僕
ここにいるよ

出典: 拝啓グッバイさようなら/作詞:DAOKO 作曲:多保孝一,TAKU INOUE,DAOKO

こうしてようやく弱くて半端な自身と向き合うことができたDAOKO

だからこそ「拝啓グッバイさようなら」は喜びに溢れています

明るくポップなメロディー。軽快な4つ打ちのダンスチューン。

最後のフレーズは「殺した過去の僕」が「新しい僕」に優しく語りかけています

MVのラストではそのことを補完するように「君はどこにいるの?」と囁く声が。

「ここにいるよ」

「過去の僕」は「新しい僕」にそう語りかけます。

アルバム『THANK YOU BLUE』に収録

DAOKO第1期の集大成アルバム

【拝啓グッバイさようなら/DAOKO】歌詞の意味を徹底解釈!新しい朝が来る…潔いさようならは何の為?の画像

拝啓グッバイさようなら」は2017年のアルバム「THANK YOU BLUE」に収録されています。

このアルバムはDAOKOの第1期の集大成として作られた作品。

米津玄師との「打上花火」で始まりTenpalayとの「ワンルーム・シーサイド・ステップ」で終わる。

従来のDAOKOのイメージを踏襲しつつ実験的な試みが随所に施されています。