残ってる

【残ってる/吉澤嘉代子】「あなたが残ってる」ってどういうこと...!?MV・歌詞の意味を徹底解釈!の画像

2017年10月にリリースされたセカンドシングル

テーマは「朝帰り」。

きっとこの世で女の子しか味わえない感傷を、吉澤嘉代子はこんな美しく、くすぐったい言葉で彩りました。

MV

朝帰りの女の子、まっすぐ帰るのはなんだか違う気がして、見慣れたはずの街をふらふらと歩いて帰ります。

夜から朝になる時間を、できるだけゆっくり進む彼女。

日差しはどんどん昨日を削っていきます。

主演したのは人気モデルのモトーラ世理奈さん。淡い色のそばかすがチャーミングですね。

歌詞

それでは、女子なら共感必須の歌詞を見ていきましょう。

こんな風に、生々しくもあるのにキュートな歌詞って多分吉澤嘉代子にしか書けないね。

改札はよそよそしい顔で 朝帰りを責められた気がした
私はゆうべの服のままで 浮かれたワンピースがまぶしい

出典: 残ってる/作詞:吉澤嘉代子 作曲:吉澤嘉代子

始発を少し過ぎた朝、これから一日を始める人の群れをかきわけていつもの駅に着いた彼女。

改札に立ち込める朝の雰囲気には、昨夜の名残りのような浮かれたワンピースがひどく似合わない気がしました。

風邪をひきそうな空 一夜にして街は 季節を越えたらしい

出典: 残ってる/作詞:吉澤嘉代子 作曲:吉澤嘉代子

昨日まで夏日だったから、デートだったこともあって、すこし布地の小さいワンピース姿の彼女。

だけどいつのまにか、風には秋のにおいが混じっていました。

このままだと風邪をひくから、肩を抱いて駅を抜けます。

まだ あなたが残ってる からだの奥に残ってる ここもここもどこかしこも あなただらけ
でも 忙しい朝が連れて行っちゃうの いかないで

出典: 残ってる/作詞:吉澤嘉代子 作曲:吉澤嘉代子

昨夜の彼の汗の香りが、湿った肌の感触が、いつもより高い温度が、身体のそこかしこに残っているようで気恥ずかしい。

服も着て、素知らぬ顔で歩いているはずなのに、なぜか裸のままのような気分です。

でも、そんな気恥ずかしさも、朝が進むにつれて薄まっていくのがわかりました。

特別な夜の記憶は、どんどん薄まっていきます。

いかないで。そう願っても、身体に残る彼の気配はどんどん朝に連れ去られて行ってしまいます。

私まだ昨日を生きていたい

出典: 残ってる/作詞:吉澤嘉代子 作曲:吉澤嘉代子

今日になってしまえば、朝を受け入れてしまえば、あなたは薄まっていってしまうから。

昨日のまま、あなたの腕の中にいたい、そう願うのです。

駐輪場で鍵を探すとき かき氷いろのネイルが剥げていた
造花の向日葵は私みたい もう夏は寒々しい

出典: 残ってる/作詞:吉澤嘉代子 作曲:吉澤嘉代子

駅の駐輪場で、きれいに仕上げたはずのマニキュアが剥げかかっていることに気付きました。

夏の色の、つやつやのマニキュア。

いつ傷つけたんだろう、思い出してまた、赤面したりして。

駐輪場には、誰が飾ったのか造花の向日葵がありました。

もう街は秋の空気なのに、ワンピースに明るい色のマニキュアのわたしは、造花の向日葵みたいに不似合いでした。

誰かが煙草を消したけれど 私の火はのろしをあげて 燃えつづく

出典: 残ってる/作詞:吉澤嘉代子 作曲:吉澤嘉代子