PADDLEの基本情報
PADDLEという曲は、シングルではないのにミスチルファンの間では絶大な人気を誇る名曲です。
この曲は、2004年発売のアルバム「シフクノオト」に含まれていて、ドコモのCMに起用されたことから話題となった曲です。
作詞・作曲はもちろんボーカルの桜井和寿さんです。
この曲を作った当時、桜井さんはサーフィンにはまっていたようで、波に乗りながら曲の構想が浮かんだのでしょうか。
「PADDLE」はサーフィンの時波に向かって「こぐ」ことを指す言葉なので、タイトルを聞いて「大海原に出ていく」様子を思い浮かべることができるのではないでしょうか。
アルバム「シフクノオト」
「シフクノオト」は2004年に発売された、Mr.Children11枚目のアルバムです。
桜井さんが小脳梗塞で活動休止以来初のアルバムでしたが、オリコンチャートでは週間1位、年間でも2位を獲得するなど、2000年以降のミスチル人気をものがたるアルバムです。
収録シングル曲は、「Any」、「HERO」、「掌」、「くるみ」の4曲ですが、日清カップヌードルのCMソングとして使われた「タガタメ」も収録されています。
「PADDLE」は人生の応援歌
PADDLEの歌詞をみていくと、多くの人が共感する理由がわかりました。
何となく過ぎている毎日をちょっとした工夫で楽しく過ごしていこうよ、といった応援ソングのようになっているからじゃないでしょうか。
それは、若いとかそうじゃないとか年代には関係なく通じるものです。
タイトルだけ見ると、新しい世界に飛び出していこうという意味なのかなと思うんですが、大きなものよりむしろ日常の小さな幸せを感じていこうよという内容の歌詞になっています。
ほんの束の間 胸の中に巻き起こる風 風 風
「今しかないよな」って 呪文みたいに繰り返す
日常の下敷きになって 埋もれたモノを取り返すんだ
出典: PADDLE/作詞:桜井 和寿 作曲:桜井 和寿
毎日何となく過ぎている生活の中で、心に引っかかっても行動にうつせないということはたくさんありますよね。
その思いを見事に表現した冒頭の歌詞です。
まずは「風」なんですね。
「波」に乗る前には「風」が吹くというところからはじまっていて、桜井さんがサーフィンを始めるときもこんな風に思ったのかもしれません。
ちょっと感じたざわつきを行動にするためには、自分に言い聞かせないと重い腰が上がらないということも多いです。
目指すのは完全な自由ではない
新しい記号を探しに
フラスコの中 飛び込んで
どんな化学変化を起こすか
軽くゆすってみよう It's OK
出典: PADDLE/作詞:桜井 和寿 作曲:桜井 和寿
ここで「フラスコ」とか「化学変化」とか出てきちゃうんですね。
中学生や高校生、そして大学生は、勉強でいきづまってたりすると、この歌詞に一気に親近感がわくんじゃないでしょうか。
内容はなんとなく、海の中でありながら決められた枠=フラスコの中でがんばってみようといった意味に感じました。
大海原に出てみるというよりは、やっぱりそこには囲みがあって、完全な自由ではないんですね。
もちろん若い人には完全な自由を目指してどんどん飛び出して欲しいんですが、自分の活躍できる枠の中で精いっぱい努力するというのが、多くの人の現実ではないでしょうか。
狭い場所だって化学反応を起こせば、大きな出来事が起きるというたとえかもしれません。
それは、2人の人間同士でもあり得る話です。
がんばってもむくわれないことだってある
ゆけ 荒れ狂う海原の上
未来へと 手を突きだして
もしかしたら今日は何も起こんないかも
でも 明日へとパドリング
出典: PADDLE/作詞:桜井 和寿 作曲:桜井 和寿
ここでは、「がんばってPADDLEしても何も起こんないかもしれないよ」と自分をいましめます。
毎日がんばってもがんばっても報われるとは限りません。
何かにむくわれようとがんばるより、毎日を楽しく過ごす姿勢が大切だということを言ってるような気がします。
良い事があってこその笑顔じゃなくて
笑顔でいりゃ 良い事あると思えたら
それが良い事の 序章です
出典: PADDLE/作詞:桜井 和寿 作曲:桜井 和寿