防弾少年団「DOPE」の歌詞を解釈！クールみが半端ない！BTSの放つ言葉の弾丸は防弾不能で心を貫く！

”銃社会である米国が、一発の弾丸に驚愕した

事件ではない、エンターテイメントの話だ”

もしわたしが彼らのことを伝えるのであれば、そう書き出すかもしれません。

それほど、「防弾少年団（BTS）」の快挙達成のニュースは驚きをもって米国中に伝えられました。

2018年5月、米アルバムチャート「ビルボードTOP200」でアジア人史上初の1位。

音楽をかじる方なら、どんだけ”超ヤベー”ことなのかピンとくるのではないでしょうか。

さかのぼること2017年には、『Billboard Music Awards 2017』でトップ・ソーシャル・アーティストを載冠。

かのジャスティン・ビーバーらを抑えての栄光です。爆発の予兆はこの頃すでに。

飛ぶ鳥を落とすべく、射撃体勢に入っていたわけです。

では、スズメバチのように鋭く厳しい米国のリスナーをつかんだ音楽性とは?

現在、米国のメインストリームとなっているのがヒップホップやR＆B、EDMにPOPS。

チャート上位を賑わせているのは、いずれもこのジャンルのアーティストたちです。

防弾少年団はこうした音楽性を絶妙に取り込み、時代のトレンドに上手くチューニング出来たことが成功の要因でしょう。

これに加え、”K-POPで最もキツイ”と言われる激しいシンクロダンスもまた最大の武器の一つ。

そして、彼らが時代を掴んだ要因は歌詞によるところも大きいと思います。

では一体なぜ彼らの歌詞が若者のハートを撃ち抜いたのでしょうか?

「10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自分たちの音楽を守りぬく」

防弾少年団には、そんな意味が込められています。構えられたその銃は自分たちや若者世代を守るためのもの。

誰かを攻撃するものではなく、自衛用なのです。

実は彼ら、有名アーティストらを擁する韓国三大芸能事務所の所属ではありません。

そのカテゴリの中では、上記事務所には到底及ばないほどの規模だそうです。

なので、成功が約束されているグループとは違いここまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。

そういった経験が、社会的な少数派である若者の苦悩や葛藤に重なり共感を得るのではないでしょうか?

そしてこの曲にも社会情勢を皮肉ったシニカルな歌詞が盛り込まれていたりします。

歌詞の前にこのMVを見ていただくと、彼らのすごさが一発で分かると思います。

とにかくまず目を奪われるのは、クールなダンスシーン。

ここまでの強靭なシンクロダンスは、日本のメジャーシーンでも中々お目にかかれないほど。

MVのテーマは「青春を卒業した後の未来の姿」。

警察官や弁護士、医者などの職業に彼らが扮し、青春のその先にある世界で必死にもがく世代へメッセージを発信しています。

この曲の日本語詞バージョンが、2016年リリースされた『YOUTH』というアルバムに収録されています。

曲名は「DOPE -超ヤベー!」。意味は、スラングで「カッコイイ、最高、ヤバい」。

直訳するとヤベー超ヤベー!。

これが実に今の日本の世代性をうまく照準に捉えていると思います。

いまや「ヤバい」は、喜怒哀楽そして五感すべてに対応可能なクールな言葉。

ヤバいというだけで大抵の意味が通じてしまう社会です。

なぜ日本人はそんな芸当ができるのか?

それは日本人が世界的に見ても稀有な、空気を読める人種だから。

前後の脈絡から意味を暗算するから、ヤバいだけでも会話が成立するのです。

なんてクールな日本人。クールジャパンです。

そして、この歌詞中では感情が高ぶる「マジ超ヤベー!」という意味で使われています。

つまり、「考えることを忘れたワンナイトピーポーよ、おれが毎日必死で磨いてきたダンスをしかと見やがれ」と。

マジ超ヤベーから。

歌詞の構成を見てみると、必ず彼らのシンクロダンス前のフレーズに「超ヤベー!」が来ます。

これは、「ダンスは誰にも負けねえ」という防弾少年団の強い意思表示。

努力に裏打ちされた自信の表れとも言えるかもしれません。

この曲について聞かれたメンバーはこう答えています。

「『DOPE』のポイントはダンス。ダンスが最高にうまくできて、それに対する自負心がある」

この曲の節々から見えるのは、絶対的な自己肯定と自信。

ではなぜ彼らはこんなにも情熱を燃やしているのか?

それは、日本そして韓国の社会情勢に関係があります。