歌詞の冒頭はたった35字のみです。ですが、この35字で、ノスタルジックさや、幼い頃の一瞬の光を思い出すような、この曲の根底に流れる世界を作ってしまうのはさすがです。
雨上がりの夜・水切り・跳ねた水しぶきの色など、少ない文字数で色までも思い浮かべさせます。
まるで「対句」のように続く歌詞
跳ねた跳ねた 君も跳ねた 女学生みたいに
水たまりの上で跳ねた あめんぼみたいに
出典: https://twitter.com/itowokashi_rock/status/912810473023717376
冒頭の「小学生」の対句に「女学生」を登場させ、「水きり」の対句として「あめんぼ」を持ってくるあたり、山口さんの詩人としての能力を感じます。
冒頭が小学生の男の子と水きりで、やや寒色系のイメージなら、こちらは女学生とあめんぼで、暖色を感じさせる色展開。
言葉を繰り返しリズムと気持ちを盛り上げる!
雨になって何分か後に行く
今泣いて何分か後に行く
今泣いて何分か後の自分
今泣いて何分か後に行く
今泣いて何分か後に言う
今泣いて何年か後の自分
出典: https://twitter.com/matome_sakana/status/912916748814479361
同じ言葉を繰り返し使うことでリズムを整え、しかし最後の部分で言葉を少し変えていく詩的なテクニックはここにも使われています。
この詩がメロディーやMVのライティングなどと一緒になると、ただオルタナティブなだけでなく、一気に現代っぽくなるので圧巻です。
「夜の踊り子」は子供の頃に見た「美しさ」を切り取っている?
ここまで「夜の踊り子」の歌詞について、代表的な部分をピックアップしてお伝えしました。
この歌詞を読んでいると、「夜の踊り子」は、まだ何も知らない子供の頃に見た、ただ純粋に「美しいもの」の記憶を瞬間的に切り取って、思い出しているような感覚をおぼえます。
サカナクションの曲はクラブミュージックとしても人気がありますが、時にはこうして歌詞を深く考察してみるのも、とってもおすすめですよ♪
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