大好きなおじいちゃんへの感謝をカタチに残した一曲。

WANIMAの亡きおじいちゃんに捧げた曲『1106』の歌詞を紐解くの画像

熊本出身3ピースバンドWANIMA

地元九州では、ラジオ番組などでの影響で、少しずつ知名度が上がりはじめ、

2014年に行われた、ken yokoyamaツアーに参加した事がきっかけになり、パンクレーベル「PIZZA OF DEATH」と契約。

そこから、WANIMA人気はうなぎ登りとなり、現在に至ります。

パンクロック節炸裂の楽曲の中、異彩を放つ曲がこの『1106』です。

この曲は、実話を元に書かれた曲であり、ベースボーカル松本健太のおじいちゃんが亡くなった日が、

そのまま曲のタイトルになっています。まるで、天国のおじいちゃんへのお手紙を読んでいるような。

悲しくて堪らない気持ちを、明るく歌っているところが、余計に目頭を熱くさせます。

曲の終盤で合唱する部分が感情のピークで、思わず会場みんなが泣いてしまうところです。

照れも隠さずに、捧げるおじいちゃんの為の贈り物には、どんな事が書かれているのでしょうか。

一緒に封筒の封を開けてみましょう!

尊敬する人、最愛の人に贈る渾身の手紙。

拝啓

新しい生活に慣れてきたところでしょうか?

心配な事は沢山ありますが

そっちに海はありますか?

出典: 1106/作詞:松本健太 作曲:松本健太

冒頭は、挨拶部分から始まります。

ここではまだ、明らかにはしていませんが、海があるか否かを聞いている時点で、別世界への手紙なのでは?と予測する事が出来なくはないですね。

これは、曲が進むにつれて、明らかになる部分の前置きとも言えるでしょう。

挨拶が意味するものとは一体…。

WANIMAの亡きおじいちゃんに捧げた曲『1106』の歌詞を紐解くの画像

昔ながらのお菓子が好きで

いつもの席 縁側へ

陽が差すタバコの煙さえも

鮮明に覚えてる

出典: 1106/作詞:松本健太 作曲:松本健太

1番の入りの部分です。

未だに真実はわからないまま、曲は続きます。

誰かの思い出話に花を咲かせて、懐かしくもどこか寂しげな一文が綴られています。

曲をすべて聴かないと、誰に当てて書かれたものなのか分からないのがひとつの物語を読んでいるような気持ちにさせます。

子守唄はトントン船の音

沖に向かう 晴れの日も雨の日も曇りの日も

子守唄はトントン船の音

沖に向かう 晴れの日も雨の日も曇りの日も

波に揺られて…


遠く驚く程に遠く

旅立つあなた遥か彼方

ねぇ想うように歌えばいいと

思い通りにならない日を

そう教えてくれたね、教えてくれた…ねぇ?

出典: 1106/作詞:松本健太 作曲:松本健太

1番のサビの部分で、故人への手紙だったという事が判明します。

’’あなた’’は船が好きで、子供の頃によく船を漕ぐ音を聞いていた。それが心地よくて、知らぬ間に寝てしまっていたなあ。

そんな’’あなた’’が沖よりも遥か遠くに行ってしまった…。それは生きている間は届かない場所。

うまくいかない事があっても、歌い続けていれば、何かいい事が起きるよ。と教えてくれた’’あなた’’の言葉を信じて…。

WANIMAの亡きおじいちゃんに捧げた曲『1106』の歌詞を紐解くの画像

声が聴きたくなって

あなたの真似をして笑った

4時49分

ありふれた景色が変わった

出典: 1106/作詞:松本健太 作曲:松本健太

2番でリアリティ溢れるフレーズが出てきます。

11月6日の4時49分。大好きだったおじいちゃんが旅立った。

いままで当たり前だった景色が、当たり前にならなくなった瞬間。

まるで聴いてる人がこの場にいるかのような、生々しい歌詞が突き刺さります。

いつかお別れする日が来るのはわかっていたけれど、その日がいざ来ると、受け入れるのに時間がかかるのは当たり前の事です。

会話をしているような歌詞が、独り言のように変わって、目の前のおじいちゃんを失った喪失感を引き立てているように思います。

いつまでも空から見守ってくれていると信じてます。

WANIMAの亡きおじいちゃんに捧げた曲『1106』の歌詞を紐解くの画像

子守唄はトントン船の音

沖に向かう 晴れの日も雨の日も曇りの日も

子守唄はトントン船の音

沖に向かう 晴れの日も雨の日も曇りの日も

波に揺られて…


風は冷たく格子戸揺らす

隙間風で冷えた身体を

弱音ひとつ吐かず海へと向かう

平気なフリに何度助けられただろう…

出典: 1106/作詞:松本健太 作曲:松本健太

真実が明らかになり、曲はラスサビに向かいます。

同じ歌詞でも、1番のサビで聴いたときよりも、2番で聴くほうが感情が乗っかっていて、グッときます。

海が大好きだった船乗りの’’あなた’’。

極寒の海でも、躊躇する事なく船を出す’’あなた’’が、男らしくてかっこよかった。

子供ながらに心配にもなったけどそんなことも吹き飛ばしてくれる’’あなた’’の背中。

どこで見守ってくれているかなんてわからなくても、見てくれていると強く想って手を振る。

おじいちゃんがわかるように、見えるように手を振り続けます。

遠く驚く程に遠く

旅立つあなた遥か彼方

ねぇ想うように歌えばいいと

思い通りにならない日を

何処に居るかわかるように

気付くように手を振る…

碇をおろした場所からも

見えるように手を振る…

敬具

出典: 1106/作詞:松本健太 作曲:松本健太

ここで、歌詞の部分は終わりますがエンディングに向かう途中から、ララララ〜♪と、

大きく手を振りながら、お客さんも一緒になって歌います。私はここで泣き崩れちゃいますね。

WANIMAはこんなにも愛されているよー!みんなも一緒に手を振ってくれてるよー!

と、天国のおじいちゃんに安心させてあげるかのように。