東日本大震災の直後に

未曽有の天災の中で

ナオト・インティライミの「brave」は、2011年4月に、彼の2枚目のアルバムADVENTURE」からの先行シングルとしてリリースされました。

どんな困難にも負けず、勇気と希望を持って強く生きていこうと歌う、この「brave」。リリースされたのは東日本大震災の直後になります。

未曽有の天災の下、日本中がとても悲しく辛い想いに包まれている時に、彼のこのポジティブな歌が多くの人の心を癒しました。

「brave」は、オリコンシングルチャートでは、最高13位を記録、またデジタルダウンロードで10万回以上売り上げた楽曲を対象とするゴールドディスクにも選ばれています。

ナオト・インティライミ「Brave」の歌詞に隠された意味とは...?収録アルバム・PVを公開!の画像

ナオト・インティライミの神髄

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勇気と希望を胸に

ナオト・インティライミといえば、2003年8月から2004年末まで515日をかけて世界28か国を放浪した経験があるというのは、もう余りにも有名ですよね。

彼の真骨頂は、どんな場所でもどんな相手でも、常にポジティブにそしてタフに渡っていく度胸の良さ。

そんな彼の雄姿は、2013年4月に公開された『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー』で見る事が出来ます。

続編である『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2』も2017年11月に前編、2018年1月5日に後編が公開予定。これも楽しみですね。

映画の中で、彼が見せる姿は、常にポジティブ。

少しのチャンスも逃さず持ち前のハングリー精神を発揮してどんどん人の懐に入っていきます。

さすがにそれは強引すぎるだろう...という場面でも、結局認められてしまう。

おそらく、彼の根底に流れる「温かいハート」が周りを動かしてしまうのだと感じます。

そんな彼が、東日本大震災直後のブログで、世界放浪中にシリアの大学生に、「小さな国である日本がどうして世界のトップになれたのか?」と聞かれ、「チームワークのおかげ」と答えたというエピソードを話しています。

世界を放浪したからこそわかる日本人の団結力、勤勉さの凄さ。

どんな困難でも乗り越えることが出来るのは、必ずそれを応援してくれる人がいるから。

まさにそんな気持ちを伝える、心の応援歌がこの「brave」なんですね。

ナオト・インティライミ「Brave」の歌詞に隠された意味とは...?収録アルバム・PVを公開!の画像

ポジティブな言葉のシャワー

描いてきたマイライフ

出会いと別れを繰り返して 
地図にないこの道切り開いて
君の手に溢れたものは
描いた my lifeは?

出典: https://twitter.com/naoto_0710_/status/930649139737538560

brave」は、ピアノのイントロがとても印象的なミディアム・チューンのポップなナンバー。

聴き込んだ方なら共感してもらえると思いますが、私は、あのメロディアスなイントロでもう勇気が沸き上がってくる想いがします。

ヒップホップテイストの前打ちビートに乗って、心地良い彼の軽快なボーカルが響きます。

特筆すべきは、オートチューンの使い方。

日本語の歌詞としては情報量が非常に多いナンバーなんですが、オートチューンで変化をつけることによって単調さを排除し、言葉がどんどん入ってきます。

そしてこの出だし。

リスナーそれぞれに「これまでの生き方」を問いかける一節。

描いた my life」は、果たして今そこにあるのだろうか?と問いかけて来ます。

勇気をもって夢を追いかける

笑えない明日ではいけない

ナオト・インティライミ「Brave」の歌詞に隠された意味とは...?収録アルバム・PVを公開!の画像

この「brave」の歌詞の素晴らしいところは、どこを切ってもポジティブな言葉が溢れていて、なおかつ困難を目の前にした人の心象風景を丁寧に描写しているところにあります。

この言葉のシャワーが、ひとりひとりのリスナーの心をとらえて離さない、これがこの「brave」の素晴らしさです。

たとえば、この一節。

無理して我慢して生きてても
明日はやってくるけど笑えない
誰かと比べる必要なんてない
キミはキミのままでいいんだよ

出典: https://twitter.com/Toyourheart_bot/status/932180203698233344

「無理して我慢する必要はない」と言い切るのではなく、「我慢して生きていても明日はやってくる」という真理をきちんと描写しています。

それだからこそ、次の「笑えない」という一節が生きてくるんですね。

ただ我慢して耐え忍んでいても明日は必ずやってくる。でも、それは結局「笑えない」人生になってしまう。

そう言ってくれるのですが、そこで「だからそれを止めよう」とはっきりと結論づけをしないところが、彼の詩人としての上手さ。

さっと角度を変えて「誰かと比べる必要はないから肩の力を抜こうよ」と諭してくれます。

「キミはキミのままでいい」。

このフレーズは、ビリー・ジョエルの「素顔のままで(Just The Way You Are)」を連想させます。

ビリー・ジョエルの場合は、素敵なラブソングでしたが、この「brave」では、傷ついた人の心を癒す言葉として使われています。

この言葉に勇気をもらった人も多いのではないでしょうか?

たいしたことじゃない