伝説のアルバムに収録されている
2013年に発売された、その名も「sakanaction」。
バンド名が付けられたアルバムは、アーティストの本気度が違います。
オリコンアルバムチャートで1位を獲得した、名アルバムです。
彼らの類をみない特徴的な音楽は、各界を震撼させました。
こんな音楽は聴いたことがないと、多くの人を驚愕させたのです。
【なんてったって春】にも、その才能とセンスを感じずにはいられません。
ここからは、歌詞にこめられた意味を紐解いていきます。
特徴的な音楽性
繰り返される言葉
彼らの音楽にはジャンルの垣根がありません。
テクノもロックもクラシックもすべてミクスチャーした存在。
それがサカナクションです。
聴けばすぐに彼らの曲だとわかってしまう、強烈な個性。
その中毒性は、印象深い日本語のリピートによるものです。
英語を使わないのが彼ら流。
この曲は、独特の世界観に宿るワードセンスにも注目してください。
日本人なら心惹かれずにいられない言葉が登場しています。
キーワードは春
この曲のテーマは「春」です。これは、タイトルとサビで何度もリピートされます。
なんてったって春だ
出典: なんてったって春/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎
四季があるのは日本特有の文化。
それを思い出させる春という言葉を繰り返し使っています。
少し浮き足立った感じが、ポップなリズム感でも表現されます。
思考を邪魔しない、単調で優しいリズム。
軽く踊れそうなクラブミュージックにも聴こえます。
麗かに晴れた日の午後の散歩。昼寝前の物思いにふける瞬間。
この楽曲をBGMに流したい瞬間がたくさん思い浮かびます。
そのどれもが春のひとときを彷彿とさせるのです。
季節は表情を変えて
春の嵐にご用心
情景描写に優れたこの曲の歌詞を見ていきます。
まるで、ショートームービーを見ている気分です。
今年始めの春の雷がサヨナラ告げた
出典: なんてったって春/作詞:山口一郎 作曲:山口一郎
春の雷は、3月から5月くらいにかけて見られます。
そのなかでも、このフレーズの雷は早い時期を指しています。
春の訪れを告げる春の雷を、初雷と呼ぶのです。
立春を過ぎた頃の季語としても使われます。
サヨナラを告げるのは誰か?それはおそらく冬のこと。
もしくは、卒業して別れることになるクラスメイトかもしれません。
春は、出会いと別れを経験する切ない季節なのです。