井上陽水の「帰れない二人」ってどんな曲?
忌野清志郎と共作!
「帰れない二人」は1973年9月21日発売の「心もよう」のB面として発表された曲。作詞作曲は井上陽水と忌野清志郎との共作。
その後「帰れない二人」は日本初の100万枚を突破したアルバム「氷の世界」にも収録されました。井上陽水の人気を決定付けたアルバム。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B7%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C_(%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0)
2人のビッグスターの才能がぶつかりあった楽曲ですね。物悲しいキャッチーなサビと切ない歌詞がたまらない名曲。
「帰れない二人」は東京都の三鷹のアパートで2人でカレーを食べながら書かれた曲です。
陽水の記憶だと、2人で一行づつ交代で曲を作っていったそうです。今考えると本当に豪華なコラボですよね。
それから印象的なイントロのアルペジオはアメリカのアーティスト「ニール・ヤング」の曲に影響を受けたそう。
「帰れない二人」をシングルのA面として推していた井上陽水ですが、実際には「心もよう」のB面として発売されました。
というのも、プロデューサーの意向で当時の日本では「心もよう」の方が売れると判断したからです。
2017年の今、この2曲を聴き比べると「心もよう」は古臭く感じて、「帰れない二人」の方が輝いて聴こえます。
ミュージシャンとしての井上陽水の判断は間違っていなかったでしょう。「帰れない二人」の方が後世に残る楽曲です。
しかし、当時の日本のリスナーの嗜好としては「帰れない二人」をA面として発表するのには早すぎました。
名曲ですが当時では新しすぎて多くの人が受け入れられない曲だったのです。
セールスのためにはプロデューサーの判断が正解でした。
それでは時代を先取りした名曲「帰れない二人」の世界を見ていきましょう。
影響を受けた曲をチェック!
確かにイントロは似ていますね♪
この曲がなかったら「帰れない二人」は誕生しなかったでしょう。ニール・ヤングに感謝!
「帰れない二人」の歌詞の意味とコードをチェック!
思ったよりも
C ConB♭ / FonA G#aug / C ConB♭ / FonA G#aug /
C CM7 Am AmonG F G C
思ったより も 夜露は冷たく
C CM7 Am AmonG F Em Am
二人の声 も ふるえていました
FM7 CM7 F ConE
Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah
Dm CM7 C D7 G
「僕は君を」と 言いかけた時
Dm CM7 D7 G G#dim /
街の灯が 消えました
Am E7 Dm
もう星は帰ろうとしてる
F E F A♭ C→
帰れない 二人を残して
出典: 帰れない二人/作詞:井上陽水.忌野清志郎 作曲:井上陽水.忌野清志郎
冷たい夜露に震える2人。恋人同士でしょうか。
2人の会話も震えています。ここは屋外?
「Ah Ah Ah」というコーラスに透明感があって身にしみる夜露の冷たさを感じます。
僕が君に何か話しかけようとした時に街の灯が一斉に消えました。
タイミングを失って言葉を失う僕。何か言い出そうにもきっかけがつかめない僕。
もう明け方近くなので夜空の星が帰ろうとしています。
どこへ行くのか行き場を失った2人。帰るところがない2人。
僕は何を言いたかったのでしょうか?
愛の告白か別れの言葉か。
沈黙の気まずい雰囲気が2人の間に割り込んできます。
街は静かに
C ConB♭ / FonA G#aug / C ConB♭ / FonA G#aug /
C CM7 Am AmonG F G C
街は 静かに 眠りを続けて
C CM7 Am AmonG F Em Am
口ぐせのような 夢を見ている
FM7 CM7 F ConE
Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah
Dm CM7 C D7 G
結んだ手と手の ぬくもりだけが
Dm CM7 D7 G G#dim /
とてもたしかに 見えたのに
Am E7 Dm
もう夢は急がされている
F E F A♭ C
帰れない 二人を残して
出典: 帰れない二人/作詞:井上陽水.忌野清志郎 作曲:井上陽水.忌野清志郎
まだ街は寝静まっています。2人はまだ眠れません。明け方の街をさまよっているのでしょうか。
家に帰れない理由があるのか?帰りたくないのか?まだいっしょにいたいのか?
僕の言葉を君は待っているのかも知れません。僕と君は手を繋ぎ、ぬくもりを感じています。
確かに手の温かさを感じましたが何か違和感があります。
「もう夢は急がされている」と歌っています。この2人を関係を邪魔する「夢」でしょうか?
「僕の夢」もしくは「君の夢」によって引き裂かれてしまう現実があるのかも知れません。
「僕の夢」=「ミュージシャン」であれば、夢の実現のために君との関係を終わりにしようとしているのかも。
「別れよう」という最後の一言を僕が言えなくて街をさまよっているとも考えられます。
ここで「口ぐせのような夢をみている」という歌詞に戻ります。
「口ぐせのような夢をみている」の主語は「街」だと考えていましたが違いますね。
「口ぐせのような夢をみている」の主語は「僕」です。
「僕は口ぐせのような夢をみている」ということではないでしょか。
夢を見ているのは僕なので毎日のように夢を語っている様子の描写ですね。
つまり、以前から君に対しては「口ぐせのような夢」を語っていたわけです。君もどこかで別れの予感を感じていたのでしょう。
ですから、君から僕へは「これからわたしたちどうなるの?」なんて怖くて聞くことなんてできません。
聞き出せないまま君はずっと僕の言葉を待っているのでしょうね。
「帰れない二人」の歌詞の世界はいかがでしたでしょうか?
この2人の未来を想像しながら歌詞の解説を終わりにしたいと思います。
夜が明け始めて2人を朝日が照らし出しました。2人の朝はどうなると思いますか?
C ConB♭ / FonA G#aug / C ConB♭ / FonA G#aug /
C ConB♭ / FonA G#aug / C ConB♭ / FonA G#aug / C / C /
C CM7 / Am AmonG / F G / C /
C CM7 / Am AmonG / F E / Am...
FM7 CM7 F ConE
Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah Ah
出典: 帰れない二人/作詞:井上陽水.忌野清志郎 作曲:井上陽水.忌野清志郎