「最後の夜と流星」のミュージックビデオの中で、女性の声が入っている部分があります。

これは声優の花澤香菜さんによるもの。

流星コーリングプロジェクトが発表された2018年7月7日のライブで披露された朗読の声を使っています。

「最後の夜と流星」にも共通する物語の世界観が、花澤さんの優しい声で表現されています。

「最後の夜と流星」の歌詞に迫る!

つくりこまれた世界観を小説や映像でも見せている「最後の夜と流星」。

その歌詞も、切なさをぎゅっと詰め込んだ、ストーリー性のあるものになっています。

それでは、歌詞の意味をひとつひとつ見ていきましょう。

もし今夜が最後の夜だったら?

「最後の夜と流星」の歌詞は、次のように始まります。

例えば今夜 世界が終わり
明日が来ないとして
代償に一つ望むのなら
流れ星を 夜空に一杯
描いて奇跡を君に見せよう

出典: 最後の夜と流星/作詞:河邉徹 作曲:杉本雄司

歌詞に表れているのは「流星コーリング」の主人公、りょうの気持ち。

小説の中で、りょうは人工流星を友人たちと見に行きます。

しかし彼女である詩織は体調を崩し、りょうと一緒に流星を見ることができませんでした。

明日を引きかえにしたとしても、詩織と一緒に人工流星を見たかったな、というりょうの気持ち。

それが歌詞の中に表れているように見えます。

二人で星を見に行く景色が目に浮かぶ歌詞

Aメロと共通するメロディにのせて、今度は流星を見に行く風景が描かれます。

国道に続く交差点で
二人で待ち合わせて
「早く」って急かす君を乗せて
坂道を 自転車こいで
夜空へ駆けていく

出典: 最後の夜と流星/作詞:河邉徹 作曲:杉本雄司

これはりょうの想像する景色なのか、それともループして迎えた今日の景色なのか。

つい深読みしたくなるフレーズです。

りょうと詩織が一緒に流星を見に行くとしたら、きっとこの歌詞のようにするのでしょう。

国道、交差点、坂道、自転車など、誰もが思い描くことのできる言葉も使われています。

もし自分がりょうだったら。もし自分が詩織だったら。

そんな想像をしながらこの歌詞を聞いてみると臨場感が出そうです。

好きな人に向けたサビが切なすぎる!

サビの歌詞は、相手への「好き」という気持ちにあふれています。

聞いた瞬間にキュンとくること間違いなしです!

これが“最後の夜”と“流星”
明日のない世界で
君のこと何度も何度も呼びかけた

涙目で笑った 君の手を握った
触れ合った温度と温度の星灯り
儚い今と 知らない君に
「明日も愛してる」と誓おう

出典: 最後の夜と流星/作詞:河邉徹 作曲:杉本雄司

今日を何度もくりかえすりょうにとっては、いつだってこれが最後の夜。

明日に進むことはできなくても、好きな人への愛は変わりません。

きっと流星を見ながら、詩織は明日の話をしているのでしょう。

りょうは明日が来ないことを知りながら、涙目で詩織に笑いかけます。

翌日また経験することになる今日の中では、詩織はこの記憶を持ち合わせません。

それを承知のうえで、りょうは詩織を愛しているのです。

そう考えると、とても切ない歌詞に涙してしまいそうになります。