X JAPAN「Forever Love」
「Forever Love」を聴いて思い出すのは、どんなシーンですか?
小泉元総理の時代?再結成ライブ?それともHIDEさんの築地本願寺での告別式…?
それぞれの思いがつまっているでしょうが、いつ聴いても薔薇の花のようにぶわっと思い出がよみがえる作品といえるでしょう。
ということで、「Forever Love」について本日はご覧いただきましょう。
タイトルとうろ覚えのサビから、人によっては「永遠の愛を誓う曲?」と思っている方もいらっしゃるようです。しかしXの楽曲はそんなわかりやすいコンセプトでは終わらないのです!
収録アルバム
「Forever Love」が収録されているのは、「BALLAD COLLECTION」でございます。どどんと一曲目の収録です。
お馴染みのアルバム作品「DAHLIA」に収録されているのは「Forever Love」のacoustic versionですので、お間違いのないよう。こちらも言うまでもなく素晴らしいアレンジですがね。
ほかの収録曲としては、「Endless Rain」、「Say Anything」、「Tears」なんかが有名どころでしょう。個人的には「Longing」が非常に好みですねー。
今回も収録曲を全曲解説したいところですがぐっと我慢ですね…。
共通して言えるのは、美しすぎる純白の旋律に生の儚さを惜しむことなく表現していることです。バラード=甘々の恋愛ソングor失恋の曲、というわけではないのです。
爆走もするけれど、時には挫折やペースダウンもする。Xの楽曲そのものがわたしたち人間の人生となっている、ともいえるでしょう。
ラストライブで見せた抱擁の理由とは?
X解散前のLAST LIVEにおいて、「Forever Love」ももちろん演奏されました。
そして注目されがちなのが、ToshIさんとYOSHIKIさんの抱擁シーン。
辞めるとかもうぶん殴ってやろうかと思ったけど馴染みの顔を見たらもうええわってなった、という話はXファンの間ではよく知られているインタビュー内容でございましょう。
そういう「もうええわ」と、ToshIさんを受け容れるYOSHIKIさんの気持ちのあらわれだった、ということですね。
▼ちなみにLast Liveのライブ音源は、映画『WE ARE X』のオリジナルサウンドトラック集で聴くことができます。Xの名曲音源も収録されているので、映画未鑑賞の方でもこのCDはチェックしておいたほうがいいと思われます。
歌詞の意味
それでは本日の本題、「Forever Love」の歌詞内容をご覧いただきましょう。
とにかくいいバラード…で片づけてしまうのはちょっと物足りない気がしますので、こってり歌詞解釈をしていただいたほうが満足度倍増でしょう。
もう生きられない
もう独りで歩けない
時代の風が強すぎて
Ah 傷つくことなんて
慣れたはず だけど今は…
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=58127
のっけからかなり弱ってらっしゃる主人公。
逆風や世間の冷酷さには慣れっこなはずなのに、今はもう限界が近いようだということが読み取ることができます。
美しい旋律のバラードであっても、こういったニヒリズム、虚無のエッセンスがもりこまれているところが、Xのバラード曲の魅力といえるでしょう。
強い愛を謳うのもいいですが、こういうふうになよっとした感じも心を打ちますね。
永遠の愛で抱きしめておくれ
このまま抱きしめて
濡れたままの心を
変わり続けるこの時代に
変わらない愛があるなら
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=58127
「濡れたままの心」=「涙が止まらない、気分が晴れない心」と捉えてみましょう。
それでもずっと愛してくれるなら抱きしめておくれ、ということですね。輪廻転生、万物流転の世界でも、普遍的なものさえあれば生きる意味もありましょう。