空は青より灰色と記憶した翼
祟り目 奪った代償に
もうボクはボクでいられない
それはかつて名を持った 贖罪と輪廻
以後いかなる幸せでも この手では触れない
出典: サクリファイス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
悲しみばかりの世界では、何もかもがくすんだものに感じられてしまっていたのでしょう。
主人公にとっては、晴れた空も綺麗な青ではなく、くすんだ灰色にしか見えていなかったようです。
戦いが終われば、夢や希望のある色鮮やかな世界となるはずでした。
しかし世界のために戦った後も、周りから疎まれる環境では空を見て気分が晴れることもありません。
主人公にとっては、世界の色が変わらなかったのです。
以前は主人公も自分の夢や希望を持っていたはずですし、それが戦う理由でもありました。
戦いが終わった後に描いていた夢さえ砕かれてしまった主人公。
主人公は絶望によって考え方が変わってしまったように読み取れます。
どんな幸せも自分の手に入らないものなのだと、突きつけられた現実への悲しみが滲んでいるようです。
後悔する出会い
どうして 君と会ってしまったの
喉元に焼きつく 硝煙
出典: サクリファイス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
主人公には出会いを後悔する相手がいたのだと読み取れます。
それは戦いの中で出会ったのかもしれませんし、元は仲間の一人だった人かもしれません。
奪うことしかできなくなった主人公は「君」の命を奪ってしまったのかもしれないと読み取れます。
その時の硝煙の匂いは戦いの中の後悔とともに喉に焼きつき、強く記憶に残っているのです。
しかしどれだけ後悔しても、結果は変わりません。
主人公は「君」のことを思い出す度に、硝煙の匂いと強い後悔も思い出すはずです。
「君」と出会ったのは、戦いの中での後悔や悲しみを忘れないためだったのではないかと読み取れます。
報われない存在
生きる意味
これだけの苦痛を抱え込んで
生まれた意味などはないと知った
血塗られた今日日を血で洗って
生まれた意味などはないと知った
出典: サクリファイス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
主人公はこれまでにたくさんの後悔や苦しみを抱えてきました。
その全てを一人で抱え込まなければならない状況は、押しつぶされ、心の折れてしまうほどの重荷だったはずです。
誰かを傷つけ続ける中で、自分の存在価値が見出せなくなっているのです。
自分には生まれてくる意味はなかったのだと、深く絶望していることが読み取れます。
重ねた罪を背負って
何ひとつも救えないくせして
十字架ばかりを背負っていこうと
何者にもなれないと知った
処刑台が嗤い 手招いている
出典: サクリファイス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
世界を変えるために戦い、命をかけても主人公に残るのは罪ばかりでした。
周りからも疎まれる中では、誰かを救えたとも思えないでしょう。
重ねた罪を背負い続けたとしても、主人公は英雄にはなれません。
それどころか、罪人として裁かれてしまう運命だったのでしょうか。
罪人として処刑台に立たされてしまう未来が読み取れます。
裏切られても消えない憧れ
歪んだ運命に敗した 仮初の翼
望まれかざした刃が
手のひらを返して罪と成る
それは 辻褄が神に背きだすカルマ
たとえ狂いない未来としても 正鵠に射かける
どうして ボクの名前を呼んでよ
まだ脳裏に焼きつく 憧景
出典: サクリファイス/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
最後のサビの歌詞です。
世界のために戦った主人公は、その後英雄ではなく罪人となってしまいました。
それまで慕ってしてくれていた人たちの態度も一転してしまいます。
絶望の世界を変えたはずなのに、主人公だけが絶望から逃れられなかったのです。
たくさんの罪を重ねてきた主人公にとっては、自業自得だったのかもしれません。
しかし、例えそうだとしても主人公は夢見た世界を忘れることはできないのでしょう。
離れていってしまった人々と、また笑いあえる世界へ憧れる思いが読み取れます。