まずは物理的に距離を縮める
ついにこの日が やってきました 運命の日 今日は席替えだ
七夕様に お願いしたよ 君の隣になるように
そうはいかずに 離れ離れさ うつむく僕に 君がくれた
黄緑色の 小さな手紙 「一緒にかえろう」って
出典: 太陽/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
学生にとって、想いを伝えられない相手と近づく方法の1つが席替えでしょう。
気になる君と少しでも近くの席に座りたい。
小さな学級内イベントであるはずの席替えは、主人公の生活を揺るがすほどの超特大イベントと化しています。
2行目、天にお祈りするほど必死の想いで席替えのくじ引きをする主人公。
その必死な想いも虚しく、君は遠く離れた席に移動してしまいました。
もう終わりだ。
まさに人生の終焉かのような気分になっている主人公のもとに、なんと3行目で君が近づいてきます。
渡してくれたのは小さな手紙。このアナログ感も、学生の恋愛が甘酸っぱく感じられる1つの要素でしょう。
そこには、これまで距離を縮められていないと思っていた君からの、嬉しすぎるお誘いが記されていました。
心の距離も縮まってきた、主人公と君
突然おそった 夕立に 逃げ込んだ木かげで
初めて 手を握った 雷が鳴る度に ぎゅっとぎゅっと握ってた
出典: 太陽/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
初デート当日。とはいっても、ただ一緒に帰るだけのデートです。
それでも主人公は、天にも昇る気持ちだったのでしょう。
ソワソワしながら並んで歩く2人を、天はどこまでも責め続けます。
晴れていた青空は急にかげりを見せ、大きな水滴が頭上から降り注ぎ始めました。
夏らしい夕立の中、せっかくのデートが台無しになったと落ち込んでいるのかもしれません。
しかし2人逃げ込んだ木かげの中、主人公にとって更に嬉しい出来事が起こります。
それが2行目に描かれている内容。怖いはずの雷が、君との距離をグッと縮めてくれたのです。
せっかく仲良くなれたのに
別れは突然に
知らない名前の街に 行ってしまうんだね・・
昨日僕と居るときは トンボの話しかしなかったのに どうして?
出典: 太陽/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
別れはいつも突然やってきます。
せっかく距離を縮められたのに。せっかく君と仲良くなれそうだったのに。
風の噂は、太陽のような君が遠くへ行ってしまうと、悲しい真実を伝えてくれました。
ここで僕は悲しみに打ちひしがれています。
というのも、君は遠くへ行くなどと一切教えてくれていなかったのです。
他愛もない話ばかりして、大切なことは教えてくれなかった。
君が居なくなる寂しさから、君を責めるような気持ちも芽生えてしまったようです。
君は元気にしているかな
あの夏を最後に 君の姿は見てないけど
これだけは言える あれが僕の初恋
出典: 太陽/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
甘酸っぱい学生時代から早数年…。
夏がやってくるたびに、主人公は学生時代に君と過ごした夏を思い出すのです。
そして毎回確信することが1つ。それは紛れもなく、君が初めて好きになった人だ、という真実です。
もう何年も会っていないのに、君の姿はハッキリと思い出すことができる。
かつての恋がいかに深く、純粋で一途だったのかが伝わってきますね。
いつか君と同じように…
誰もが胸焦がした あの初めての恋のように
誰かをまた優しく 愛せればいいな
出典: 太陽/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎