またしても意味深な言葉が出てきました。
ですが、最初の6単語よりも分かりやすいのではないでしょうか。
1行目は心のピースを失ったことで、悲しさや楽しさを忘れてしまった。
2行目は愛と憎しみの感情と、愛されたいという欲望が心の中できらめいている様子。
3行目は、嫉妬や絶望が何度も何度も繰り返している状況を表しているのでしょう。
こんな自分を受け入れたくなくて、目を逸らして無視しようとしています。
結局のところ本当の自分も、何かを感じる心も全部どこかに置いてきてしまいました。
今あるのは空虚な欲望と自分に対する絶望、豊かな心を持つ人への暗い嫉妬心だけです。
満たしても満たされない
そして何もが
足りないのだ? 未だ足りないのだ
メスフラスコ使っていっぱいに満たして?
優しさは 一滴もないなあ
穴空くほどの心もない
出典: ジグソーパズル/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
自分の中の全てが足りないような気がして、今自分ができることで満たそうとしています。
満たしている様は、小さなコップに入れた水をプールに注いでいるような状態なのでしょう。
「メスフラスコ」とは、理科の実験で使われるような口が細長い容器です。
こんな小さな容器を使ったって、いっぱいになんてなかなかなりません。
しかも穴だらけの心なら、入れても入れても漏れ出しそうです。
かろうじて残ったものがあっても、優しさは蘇りませんでした。
もう穴が空きすぎてこれ以上空きようがない心では、満たされることはまずないでしょう。
無力な行動を繰り返す日々
ジグザグの無感情がボクを作り上げる
今日だって 完結した光景をただ切り取るだけの
人生だ
出典: ジグソーパズル/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
穴が空き過ぎた末に、感情すら忘れてしまった主人公。
そこまで来た時、主人公はあることに気が付きました。
「完結した光景」という完成品を、パズルのピースのように切り取っていたということに。
つまり一度出来上がった筈の心を、自分の手でまたバラバラにしてしまっていたのです。
しかもその心がジグソーパズルのように、いくつものピースを合わせることで出来上がるものだったら?
完成した上からまたハサミでチョキチョキ切ったとしたら、ピースの数は増えて細かくなっていくでしょう。
いちいち組み直してはバラバラにしていたら、ピースを失くしたって不思議ではありません。
それで心は穴だらけになるのです。
自分で心を作って、自分でバラバラにしてまた組み直す。
自らの心をズタズタにして穴を空けていたのは、他でもない自分自身でした。
周りに合わせようと無理をしていたのは自分ですから。
自分で自分の心を傷つけていたなんて、かなりリアリティがありますね。
最後に出した結論とは
嘘吐きの世界は 泥んこの未来は 空っぽの心は
ジグザグジグザグに切り裂いて
ジグソー
出典: ジグソーパズル/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
主人公は最終的にある真実に辿り着き、結論を下します。
自分がいる世界は全部表面的で、本当の友情や愛情なんてありませんでした。
表面だけで仲良くしている友達とか、そういうのありますね…。
こんな嘘だらけの世界で真面目に頑張っても、泥だらけになって損するだけです。
実際頑張った結果、主人公の心はもうこれ以上穴の空きようがないほど空っぽになってしまいました。
これからどうすれば良いのか、答えは一つ。
全部バラバラに切って、もう一度0から作り直せば良いのです。
これまでの世界も人間関係も、全部リセットしてやり直すのでしょう。
なかなか良い選択なのではないでしょうか?
もっと良い環境に身を置けば、心はまた作り直せます。
もちろん、本当にそれがうまくいくかは誰にも分かりません。
良い未来が訪れることを願うばかりです。
現代に生きる多くの人が抱える悩み
「ジグソーパズル」の歌詞は少し難解でしたが、考えてみるとリアルな世界が広がっていましたね。
周りに合わせようとするとか、自分で心を壊しているとか表面的な人間関係とか…。
結構多くの人にとって心当たりがあるのではないでしょうか。
自分がない人やそれに悩んでいる人は、実際いる筈です。
特に日本は自己主張するのがタブーみたいな文化がありますから、そうした人は多いと思われます。
周りに合わせすぎれば、自分がなくなるのも無理ありません。
「ジグソーパズル」の主人公はまさにそうして心が擦り切れた人間の一人なのでしょう。
主人公の姿はまふまふさんに重ねられるので、彼自身の体験談ともいえそうです。
だからこそこんなに奥深くて、リアリティのある世界観を作れるのですね。
生きづらさや悩みを歌うまふまふならではの楽曲
「ジグソーパズル」の歌詞について解説しました。
多くの人々が抱える苦しみ、悩みの歌詞だったように思えます。
等身大で誰もが共感できるこの歌詞が、まふまふさんの人気の秘密なのでしょう。
もちろん他の人には真似できなさそうな、独特な世界観も魅力的です。
まふまふさんのこれからの活動に期待が持てる1曲でした!
【朧月/まふまふ】自分の意思に反した境遇にいる人へ…!歌詞の意味を解釈!茶々ごまが手がけた美麗MVも - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
まるで大正ロマンを思わせるような『朧月』。 今回は、マルチクリエイターである「まふまふ」さんが手がけたこの曲の歌詞と、「茶々ごま」さんが手がけたMVを紹介していきたいと思います。