「トーチ」は7thアルバム「RAY」中に収められている曲

「トーチ」とは??

BUMP OF CHCIKEN7枚目アルバムRAY」収録曲である、「トーチ」について解説していきます。

タイトルの「トーチ」とは、いったい何のことでしょうか?

「トーチとは」日本語で「たいまつ」のことですが、歌詞中に「トーチ」または「たいまつ」という単語は一切使われていません。

「トーチ」とは、自己の魂を救ってくれる救済としての「」、更にかみ砕いて言えば精神の「ともし火」のことなのではないでしょうか?

「トーチ」の作詞作曲を手掛けているボーカル藤原さんは、この曲のデモ制作中や1人で弾き語りをする際、泣いてしまい歌えなかったということです。

それはいったい何故なのでしょうか??

その理由を探るため、次から「トーチ」の歌詞を見ていきたいと思います!

【トーチ/BUMP OF CHICKEN】始めは泣いて歌えなかったという曲の歌詞を解釈!コードあり♪の画像

Aメロ

D     F#m7    Bm  A    G 
出せない悲鳴が真夜中騒いで 四角い部屋で迷子になったら
D      A       G  A
呼びかけて欲しい 僕の中 君のいた場所から

出典: トーチ/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

最初のAメロです。

擬人法がうまく使われています。

この曲の主人公は、何かしらの悩みや葛藤を抱えているのでしょう。

「君」が誰であるか、まだ分かりません。

爽やかに疾駆するギターの音とは対照的に、聴いた人に重くのしかかるような歌いだしです。

間奏~Aメロ(2回目)

(間奏)
D Cadd9 Bm7 Gm

D   F#m7    Bm      A    G 
醜い思いが身体中暴れて 昨日と明日に爪を立てたら
D      A        G    A
笑いかけて欲しい 僕の中 いなくなった場所から

出典: トーチ/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

1回目のAメロと、言葉の配置や構成が同じになっています。

また、1回目のAメロの語尾と同じように「たら」と「から」が使われており、(いん)を踏んだ歌詞になっています。

爪を立てる」対象が「昨日と今日」ということですが、この比喩はとても特徴的で、他に類を見ないです。

更に、間奏のコード進行も特徴的です。

D(ディー)からCadd9(シー・アドナインス)へと移る部分を聴くと、シンセサイザーの音色と相まって、まるで宇宙に吸い込まれたかのような錯覚を覚えます。

Bm7(ビーマイナーセブン)からGm(ジーマイナー)の部分は、次のAメロのコードがDで始まることを考えると、ここも印象的なコード進行になっています。

Bメロ

F#m7 G  A   Bm Em7 D G   Gm
そこから今でもここに届く すぐにでも心を取り戻せる

出典: トーチ/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

Bメロの歌詞です。

傷ついた心を必死になって癒そうとする主人公の感情がはっきり表れていますね。

GからGmへと移るコード進行が、名残を惜しむような感じで美しいです。

比喩が美しいサビ

D  A  Bm   G  D   A Bm   G
震える足でも進めるように 自動的に空が転がるように
F#m7 G A A#dim Bm A Em7  D    G    A
次々襲いくる普通の日々    飲み込まれないでどうにか繋いでいけるように

間奏
D Cadd9  Bm7 Gm

出典: トーチ/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

サビでも韻を踏んだ箇所が多いです。

最初の「ように」は比喩、最後の「いけるように」の「ように」は希望と、その使い方にも驚かされます。

コードの方を見るとA#dim(エ―シャープ・ディミニッシュ)という、少し難しいコードが使われています。

このコードはあまり多く使うコードではなく、ちょっとしたアクセントに使うコードです。

AからA#dim、そしてBmの進行が、切ない心情をもっと切なくさせてくれます。

【トーチ/BUMP OF CHICKEN】始めは泣いて歌えなかったという曲の歌詞を解釈!コードあり♪の画像

2番Aメロ

D      F#m7   Bm7    A  G     A 
とげとげした音が耳に飛び込んで それでも君のようにいたいから
D   A          G  A
見ていて欲しい 僕の中 さよならの場所から

出典: トーチ/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

主人公は「君」に憧れているようです。

おそらく「君」の存在自体が「トーチ」なのでしょう。

「君」は主人公にとって、ほのかな明かりを灯す「たいまつ」のような存在なんです。

ここでも「いたいから」と「場所から」という、を踏んだ歌詞が出てきます。

どちらも違う意味で歌われていますが、この歌詞がリズムに乗ると、とても気持ちいいですね!