井上苑子の「線香花火」ってどんな曲?
井上苑子の「線香花火」は2014年7月に発売した、インディーズの頃の1枚目のミニアルバムである「線香花火」に収録されている楽曲です。
この楽曲のプロデュースはアニメやドラマ主題歌でも話題のバンドSUPER BEAVERが行なっていて、バンド演奏としても参加している他、作詞作曲もSUPER BEAVERの柳沢亮太が行なっています。
気になる動画ランキング情報
YouTubeの井上苑子公式チャンネルで公開しているMVの中で「線香花火」は再生回数ランキングで1位の楽曲です。
視聴回数は4,037,597 回(2017年08月27日調べ)で、これから井上苑子の注目度が上がっていくとともに、まだまだ再生回数も上がっていきそうですね。
井上苑子の「線香花火」の歌詞解釈
井上苑子の「線香花火」は、青春の1ページを切り取ったような高校生の恋心を等身大の歌詞で綴った曲で、爽やかで疾走感のあるナンバーです。
そんな「線香花火」の歌詞の意味を解釈します。
解釈の後に、なぜ曲名が「線香花火」なのかということも考えたいと思います。
「雨に流された」約束
昨日の土砂降りが濡らした アスファルトが放つ匂いを
大きく吸い込んだ途端に 寂しくなったの
真夏の夜空に打ち上がる 花火をみんなで見に行こうって
君に会うための約束は 雨に流されたの
出典: 線香花火/作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
この部分は、夏休みでしばらく会えていない「君」にやっと会える、みんなで花火を見に行く約束が雨で中止になってしまった次の日のことが書かれている歌詞です。
雨が濡らした「アスファルトが放つ匂い」に、「君」と会える機会を逃したんだという事実を改めて実感し、「あたし」は寂しくなったのでした。
花火のことを「君と会うための約束」と歌っていて、花火を見られなかったことよりも、「君」と会えなかったことで落ち込んでいるのがわかりやすいくらいに伝わってきます。
「あたし」は「君」のことが本当に好きで、会えるのをそれだけ楽しみにしていたのでしょう。
しかし、落ち込んでいる理由はそれだけではなかったのがわかるのが次の歌詞です。
せっかく「君」がメールをくれたのに…
「残念だね」ってさ 君からのメールに
「そうだね」それしか言えないあたし
本当は二人だけの約束を
作るチャンスだって
気付いていたんだけどなあ
出典: 線香花火/作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
実は、花火大会の当日、雨で中止になったことで、思わぬチャンスが訪れていました。
「君」から、花火に行けなくて残念だねというメールが来たのです。
これは、「二人だけの約束を作るチャンス」で、返信で今度どこか行かない?などと誘ってみればよかったのです。
なのに「そうだね」としか返せなかった「あたし」はそのチャンスに気づいていたのに活かせなかったのでした。
落ち込んでいた理由は花火が雨で中止になって「君」と会えなくなったことと、せっかくメールが来て「二人だけの約束」をするチャンスだったのに逃してしまったことだったのですね。
学校があれば理由がなくても「君」に会えるのに
長い 長い 長い
君に会えない日々が長いの
何が無くても 「おはよう」「また明日」
って言えた日常が愛しい
長い 長い 長い
夏の終わりで君に会ったとき
何も無いから 「おはよう」さえも
ぎこちなくなっちゃいそうで 嫌だなあ
出典: 線香花火/作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太
夏休みが好きか嫌いかと訊かれたら好きと答える人が、夏休みは長いか短いかと訊かれたら短いと答える人が多いのではないでしょうか。
しかし、ここでは、夏休みという「君に会えない日々」が嫌で、それはとっても長く感じると歌っています。
そんな夏休みに対して、ただ毎日顔が見られて、挨拶ができた日々が「愛しい」と感じているのです。
また、今までの積み重ねで、せっかく普通に挨拶ができたり、友達として花火に一緒に行く約束をしたりする関係になっていたのに、夏休みという君に会えない期間が挟まることで、また0に戻ってしまう気がしているのがわかるのが「「おはよう」さえもぎこちなくなっちゃいそうで嫌だなあ」という歌詞です。
一生懸命恋しているのが伝わってきます。