人魚姫アリエルが暮らすのは海の世界です。
人魚たちは基本的に人間と関わらないように暮らしています。
そんな中、アリエルは海に漂着したものを宝物として集めます。
見たことのない陸のものを前にいろいろ空想して楽しむのです。
そうして陸の世界へのあこがれを募らせたときにこの歌を歌うのです。
ここで映画のシーンで歌われているこの曲をお聴きください。
歌っているのは映画でアリエル役を演じたJodi Benson(ジョディ・ベンソン)です。
ストーリーの一部として歌われていることもあり、かなり感情がこもっていますね。
それでは次に歌詞について詳しく見ていきましょう。
歌詞の世界
まず先に種明かしをしておきます。
実は先ほど見ていただいたシーンはまだエリック王子と出会う前です。
ですのでまだ陸の世界に漠然とあこがれている状態での歌なのです。
その世界観を理解するために先にサビ部分を見てみようと思います。
あの世界の一員になりたい
Up where they walk
Up where they run
Up where they stay all day in the sun
Wanderin' free
Wish I could be
Part of that world
出典: パート・オブ・ユア・ワールド/作詞:Howard Elliott Ashman 作曲:Alan Menken
「Up where」というのは海の中から見た「上にある場所」で「陸上」を指します。
そこで人びとは「歩いて(walk)」、「走って(run)」います。
また一日中太陽の下にいることができます。(3行目)
そしてなにより自由にあちこち行くことができるのです。(4行目)
「Wish」は実現するのが難しいことを願うときに使います。
この場合アリエル自身も自分が陸の上で暮らすのは無理だと理解はしているのです。
それでも「あの世界(that world)」の一員になって暮らしたいと願っています。
ここでポイントになるのは4行目だと思います。
アリエルはトリトン王の末娘として自由にふるまうことができないという環境です。
プリンセスとしてのふるまいを要求されることに息苦しさを感じているのでしょう。
そこから抜け出したいという思いが強く表れているように聴こえます。
先ほどの最後のシーンも囚われの身に見えないでしょうか?
アリエルにとっては陸の世界はトリトン王の影響力のない自由な世界なのです。
陸の世界で自由に
When's it my turn?
Wouldn't I love
Love to explore that shore above?
Out of the sea
Wish I could be
Part of that world
出典: パート・オブ・ユア・ワールド/作詞:Howard Elliott Ashman 作曲:Alan Menken
ビデオの最後でもう一度歌われるサビ部分の歌詞です。
ここでは「私の番はいつ来るの?」と言っています。
そして「陸の上を歩き回りたくて仕方がない」とも言います。
アリエルの「陸の世界の一員になりたい」という思いが強く歌われているのです。
「ユア・ワールド」ではない
お気づきになったかと思いますが、ここであこがれるのは「ユア・ワールド」ではありません。
ただ海の世界ではない場所にあこがれているとも言えます。
コレクションは完璧
Look at this stuff
Isn't it neat?
Wouldn't you think my collection's complete?
Wouldn't you think I'm the girl
The girl who has ev'rything?
出典: パート・オブ・ユア・ワールド/作詞:Howard Elliott Ashman 作曲:Alan Menken
アリエルは自分のコレクションを集めている洞穴でこの歌を歌います。
「これでもうコレクションはそろっているように思う?」
「なんでも持っている女の子のように思う?」
でもアリエル自身はそのように思っていないのでしょう。
Look at this trove
Treasures untold
How many wonders can one cavern hold?
Lookin' around here you'd think
(Sure) she's got everything
出典: パート・オブ・ユア・ワールド/作詞:Howard Elliott Ashman 作曲:Alan Menken