彼らはもちろん宇宙船に乗ることはありませんでしたが、地球で長い間活動してきました。
2020年代に突入しても、ワールドツアーの開催など精力的に活動しています。
しかしその道のりは平坦ではありませんでした。
ボーカルであるフレディの逝去や、ベーシストのジョンの引退。
数々の別れも経験してきました。
それでもよほどのことがなければ「人生は続く」もの。
その中で、バンドという物語を続けていく努力をしてきたのです。
これからも、人生は
And the story tellers say
出典: '39/作詞:Brian May 作曲:Brian May
曲の最初の方に、「語り部は言った」という箇所があります。
客観で語られていたはずの物語は、いつの間にか有志のうちの一人の心の叫びになります。
それはさながら、クイーンが"物語"として歌い続けてきたこの曲が、現実に即してきているかのようです。
失ったものは数あれど、人生は続いていく。
だからこそバンド活動という旅を続けることを選択し続けた彼ら。
曲の主人公の、愛しい人を呼ぶ心の声は止むことはありません。
そんな姿は、歳を重ねながらもなお旅を続けるメンバーと重なります。
曲を作った当初は、ブライアン自身もきっと想像もしていなかった未来でしょう。
けれど彼らを見つめるファンの目は、きっと同じような輝きを持っているはずです。
そう、本格的に彼らがブレイクした当時のファンのそれのような。
別れの痛みを抱えることは、重く、苦しく、やるせないものです。
けれど、それを経験しながらも歩みを止めない彼ら。
その姿は、この曲で語られる物語の少し先を生きているようにも見えます。
今ではオリジナルメンバーが揃うことはなくなってしまいました。
もちろん、歳を重ねた今のクイーンも魅力的です。
けれど、バンドという船のもと集まった四人の豊かな個性と才能も、今後も時を超えて愛されていくはずです。
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