監督は佐藤輝。蝶や蜂など昆虫の映像と砂漠に佇む尾崎の姿、1984年3月15日の新宿ルイードでのデビューライブのモノクロ映像で構成されている。後にビデオ『6 PIECES OF STORY』(1986年)に収録された。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/十七歳の地図_(曲)
このPVはDVDで視聴可能です。ぼくも観てみたいです。
17歳とは思えぬ歌詞
「十七歳の地図」の歌詞です。メッセージ性があるのは当たり前の話。いろんな意味で内容に驚愕します。
ホットなんだかクールなんだか
十七のしゃがれたブルースを聞きながら
夢見がちな俺はセンチなため息をついている
たいしていい事あるわけじゃないだろう
一時の笑顔を疲れも知らず探し回ってる
出典: 十七歳の地図/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊
ビックリしますね、冒頭の一行。
「十七のしゃがれたブルース」なんて、17歳の男子が書く歌詞じゃないでしょう。
自分で自分の歌を聞いているのは、誰あろう尾崎豊その人です。
しゃがれ声で熱くシャウトする17歳と、シャウトする自分を冷静に俯瞰する17歳と。
バカ騒ぎしてる 街角の俺達の
かたくなな心と黒い瞳には寂しい影が
喧嘩にナンパ 愚痴でもこぼせば皆同じさ
うずうずした気持で踊り続け 汗まみれになれ
くわえ煙草のSeventeen's map
出典: 十七歳の地図/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊
俗に言う「共感を覚える歌詞」というのは、このあたりのことを指しているんでしょうか。
ぼくはこの子たちみたいにヤンチャしなかったので、妙に安堵してしまうのです。
怖そうな不良の兄ちゃんも姉ちゃんも、一皮むけば心の中身はぼくらと一緒だったんだなと。
ぼくたちと同じように不安定で、表現の仕方や発露の仕方がぼくたちと違っただけなんだなと。
路上の観察者・尾崎豊
街角では少女が自分を売りながら
あぶく銭のために何でもやってるけど
夢を失い 愛をもて遊ぶ あの子忘れちまった
心をいつでも輝かしてなくちゃならないってことを
出典: 十七歳の地図/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊
歌詞のスケールが一段大きくなりました。
自分や自分たちのことを歌っていたのが、ここでは「街角」にいる「少女」を歌っています。
尾崎の根っこにある精神は不変なのですが、世の中を見つめる視野が外へ外へと広がっていきます。
少しずつ色んな意味が解りかけてるけど
決して授業で教わったことなんかじゃない
口うるさい大人達のルーズな生活に縛られても
素敵な夢を忘れやしないよ
出典: 十七歳の地図/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊
自分と自分の周囲と街なかの観察成果を踏まえて、尾崎豊が下した結論。
それは学校や教科書は信用できないということです。
現実と真剣に向き合ったからこそ明確な判断を下せるのです。
そして尾崎が下した判断は、おそらく間違っていないのです。
人間ができすぎている!
人波の中をかきわけ
壁づたいに歩けば
すみからすみはいつくばり
強く生きなきゃと思うんだ
ちっぽけな俺の心に
空っ風が吹いてくる
歩道橋の上 振り返り
焼けつくような夕陽が
今 心の地図の上で
起こる全ての出来事を照らすよ
Seventeen's map
出典: 十七歳の地図/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊
「強く生きなきゃ」と決心する尾崎は立派です。ある種の悲愴感すら覚えます。
「ちっぽけな俺」と「焼けつくような夕陽」のコントラストも鮮やかです。
「夕陽」の前で嘘はつけない。だから真っ当に生きるんだ。お天道様に恥ずかしくない生き方をしよう。
やっぱり並の17歳じゃないですね。こんな男の子はそうそういません。
電車の中 押しあう人の背中に
いくつものドラマを感じて
親の背中にひたむきさを感じて
このごろふと涙こぼした
半分大人のSeventeen's map
出典: 十七歳の地図/作詞:尾崎豊 作曲:尾崎豊