崩壊していく肉体
ひび割れた呼吸で
曇る窓の外がぼやけて
光が射した時浮かんだ
あなたの顔が優しくて
出典: 雫に恋して/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
泉があふれ出るかのように制御のきかなくなった肉体にはもはや深い心地よい呼吸ができません。
息もたえだえでなんとか生きて行くだけの「ひび割れた」を繰り返すだけです。
ふと、ぼんやりした柔らかい光に「あなた」の優しい顔が映ります。
何も手に付かなくて
また思い出すあの光景を
出典: 雫に恋して/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
切なすぎるサビ。
時として消さなければならない炎もありますが、無理して鎮火しようとすればするほど、それは時間をかけてくすぶり続けるもの。
せめて今の自分をありのまま認めて受け入れるしか前に進む方法はないのかもしれません。
「溢れてしょうがない」涙は無理して我慢せず流し続けることで、かえって心を洗うことができるのでしょう。
雨が悩んで
私を避けて行くわ
雫がポツリと
落ちてもわかるように
出典: 雫に恋して/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
雨に打たれているのか、涙なのか。
雨と涙って見た目が似ているから判別しにくいと思いがち。
でも判別しにくいのは他者から見たときだけです。
頬を伝うのが、感情の含まれた水分なのか、そうでないのかは悲しいくらいはっきりと自覚できてしまうものです。
止められないの溢れてしょうがないから
意味もなく声も出すんだ
よそいきの服を濡らして夜が明ける
泣けてきたって 伝うまま流れるだけ
温度が変わらないままで
落ち着く場所を探して明日を迎える
出典: 雫に恋して/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
自分の本当の気持ちとは裏腹に、相手を思うがゆえの結論を出した「私」。
でも、本当の気持ちに逆らったことの代償は大きすぎるのかもしれません。
「相手のため」という言葉。
一見、自分より相手を優先して考えているように聞こえますが、それは一人よがりであることと表裏一体なのかもしれません。
どこかで少しでも相手や自分の気持ちを犠牲にしているのでは、「相手のため」とは言えないのではないでしょうか。
「あなた」も離れることを望んでいたなら、せめてもの救いなのですが。。。
何が本当の意味での「相手のため」になるのか、改めて考えさせてくれるような歌詞です。
MV
おわりに
Indigo la Endの『雫に恋して』、いかがでしたでしょうか。
もう、出口の見えないくらいどっぷりと切ない楽曲でしたね。これはとことんまで沈んでいきたい時に聴くのがベストでしょう。
「もっとも切ない恋愛の終わり方をするストーリー」として、相手を想うが故に自らが身を引くという結末になった本作。
相手の事を一番に考えるのが美しいということに異議はありませんが、果たしてこの結末は相手も望んでいたことなのかどうかが気になる今日この頃です。
ちなみに両A面シングルの『忘れて花束』のMVではこの『雫に恋して』の続編のストーリーが展開しています。
悲しい結末を迎えた『雫に恋して』でしたが、この続きは果たして・・・?
気になる方はぜひ『忘れて花束』のチェックもどうぞ♬
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