RADWIMPSの歌詞の世界が話題!
メジャーデビュー前、インディーズシーンにいたころから熱い注目を集めていたRADWIMPS。
ほぼすべての楽曲の作詞作曲を、ギターヴォーカルである野田洋次郎が手がけています。
彼の創る歌詞は独特で、謎かけのような内容も多く、シングルやアルバムが発表されるたびにその解釈が話題になったりしますね。
タイトル自体が特殊な読み方をするものも少なくありません。
野田洋次郎は基本的に”自分の体験したとしか曲にできない”と語っているそうですが、その歌詞からは彼の恋愛観や人生観が見え隠れします。
そういったパーソナルな部分を語彙力豊かに表現した歌詞内容と、ギターにこだわった音作りの音楽が相乗効果を呼んで、あのRADWIMPSの世界を作り上げているのでしょう。
野田洋次郎が影響を受けたアーティスト
野田洋次郎はノエル・ギャラガーからの影響を語っています。
ノエルの愛器、Gibson ES-355を使用しているのもよく知られていますね。
ノエル・ギャラガーはイギリスの国民的・かつ伝説的バンド、オアシスのソングライターにしてギタリストです。
オアシスは現在解散していますが、2009年の解散後10年近くたっても再結成を願う声が尽きることはありません。
ノエルの創る曲は軒並みヒットし、イギリス国民のアンセムとなっているような曲もあります。
イギリス国民のアンセム、Oasis「Don't Look Back in Anger」
その中でも、最も有名なものは「Don't Look Back in Anger」でしょう。
この曲は、2017年5月に発生したノエルの出身地、マンチェスターで起こったテロの追悼集会時にどこからともなく自然にこの曲が歌われ始め、大合唱となったのです。
マンチェスターの人々の心が一つとなった瞬間でした。
野田洋次郎とノエル・ギャラガーとの共通点
ノエル・ギャラガーはその他にも「Live Forever」や「Supersonic」、「Wonderwall」など数々の名曲を送り出していますが、彼は歌詞についていつもこう語ります。
”俺の書く歌詞に深い意味なんてない、曲がすべてだ、歌詞はどうとでも解釈してくれ”
このスタンスはオアシスの初期からソロ活動を行っている現在まで、全く変わりありません。
実際彼の歌詞は意味のない言葉の羅列のようなものも多くあり、それがまた謎めいていてファンは様々な意味に解釈を繰り広げています。
このあたり、何だかノエル・ギャラガーと野田洋次郎が共通していると思いませんか?
野田洋次郎はノエルと違い、練りに練った奥深い意味を持った素晴らしい歌詞の世界を持っています。
しかし言葉一つに様々な意味を含ませたり、通常の意味とは違う意味を持たせたりと、いい意味で周りをけむに巻くような部分があります。
あえて聴く人によっていろんな意味にとれるように、考えざるを得ないようにしているのではないでしょうか。
ノエルと野田洋次郎とでは歌詞に対するスタンスは違うようですが、意図的かそうでないかの違いはあれ、歌詞についてファンが解釈を繰り広げることになる点で何だか似ているように感じますね。
「夢番地」の深い歌詞
「夢番地」の読み方は?
今回ご紹介する曲は「夢番地」。
「夢番地」は、”ゆめばんち”と読みます。
RADWIMPSの所属事務所の社長の会社名からとったということで、気合を入れて書かれた曲のようです。
さっそく、歌詞の内容をチェックしていきましょう。
昨日に夢を託せば後悔で 明日に夢を託せば希望で
でも今日の僕に夢を託して何になるの? だから
うずくまって 閉じこもって 明日を待っていたんだよ
だけどなんで 明日になってみれば今日がまた始まるの?
「未来のために今がある」と言われても僕は信じないよ
だって「今」のこの僕が昨日の僕の未来
「現状(いま)に甘んずること勿れ」と言われても僕は笑えないよ
だって「今」のこの僕が誰かの夢見る未来
出典: 夢番地/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
人生は、夢一つとして思い通りにならないもの。
僕は、夢のやり場を見失っているようです。
”夢”もひとたび見る時間軸や立ち位置を変えるだけで後悔など、何か別のものに簡単に変化してしまうもの。
明日は希望に満ちているとか、明日は明日の風が吹くとか、明日は希望の代名詞のようだけど、
いざ訪れた”明日”は、もうすでにそれは”今日”になってしまっています。
そしてその”今日”がいつかの未来なのです。
そんなことが分かっているのに、どうして未来のこととか、希望を持って語れるの?と僕は疑問を抱いているようです。
叶えたい夢ばかり数えて 叶えた夢は泣きながらきっとどこかへ…
僕はきっと今いつかの夢の上に立っているんだね
僕はきっと今誰かの夢の上に立っている
息を吸って そして吐いて それだけじゃ喜べなくなって
欲しくなって あれもこれも あの人のも だけど
僕にあって 君になくて 君にあって 僕にないものがあるから
僕は君を 君は僕を好きになれたんでしょ?
出典: 夢番地/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
叶った夢も大小はあれ、少なくはなかったはずなのに。
次々おもちゃを欲しがる子供のように、叶えたい夢ばかりを追ってしまう僕。
”今”は叶えた夢の上にあることを忘れて。
この世に生を受けたことは類まれなる幸運だけど、いつしかそれを当然のように感じるようになってしまった。
ないものねだりばかりをするようになって。
でも、お互いの中に自分にないものを見つけたから。
恋に落ちるってそういうことだろう、と僕は語りかけます。
叶えた夢の数を数えよう 叶わない夢は誰かがきっとどこかで…
僕が立っているここはきっと誰かの願ってる場所で
誰かが立っている場所がきっと僕の望む場所で
誰かがきっと今僕にとっての夢を叶えてくれている
僕もきっと 誰かにとっての夢を叶えている
出典: 夢番地/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎