コブクロのシングル「奇跡」は何が「奇跡」なのか?
コブクロの26枚目のシングルとなった「奇跡」は、TV朝日系列の「DOCTORS3」の主題歌として使われました。
当時の雑誌インタビューで作詞・作曲を手掛けた小渕はドラマシリーズを全て視てから楽曲制作にかかったと語っていて、このシングルにかける意気込みを語っています。
一方、黒田は同ドラマを一度も視たことがなかったと語り、その場をなごませ、「コブクロとして歌う歌だから2人の棲み分けをはっきりさせる」と語っています。
2人は既存のメロディーの中で作られてきた曲が多くなってきた中、作詞・作曲した小渕は溢れんばかりのイメージを曲や詞に載せ、黒田は楽屋で聴こえ漏れてきた小渕のメロディーに感覚でGOを出したと語っています。
何曲もデモを作り、その中でも一番いいと感覚で感じた音を信じる、まさにアーティストの真骨頂とも言える一曲が奇跡なのです。
小渕健太郎はなぜ歌詞にHEROと入れたのか?
奇跡を作詞・作曲した小渕は販売当時のインタビューで「医者は何に立ち向かっているのか?」と、奇跡を作る前に見たドラマから感じていたと語っています。
溢れんばかりのイメージを凝縮した歌詞には一体どんな想いが載っているのでしょう?
冒頭から滲み出すメッセージは秀逸だ!
奇跡は起こるものじゃない 起こすものなんだと
だから望みを懸けるのさ 夢見る心閉じないで HERO
出典: 奇跡/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
”奇跡は起こすもの”と冒頭から軽快なメロディーが流れる中、コブクロらしい強いメッセージが発信されています。
何かに諦める事をしないで少しでも可能性があるのなら、続けようと唄っています。
冒頭の最後に「HERO」とありますが、折れかけた人に送るエールを込めたHERO。あなたでなければ起こせない奇跡があるんだと訴えているようです
未来を作るのは過去じゃない!今である!
もう二度と戻れない 時の中を生きるのはやめにして
未来を切り開いて 戦う自分に花束を
可能性のキャンバスはみ出し 飛び散るインクが
床一面 描いた夢模様は キャンバスじゃ収まらない
出典: 奇跡/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
もう二度と戻せない過去、反省や後悔は誰でもありますよね?
でもそこだけにとらわれていては未来は作れない、そんなことはやめにして、明日戦う自分を想像してみないか?とエールを贈られているかのようです。
縮こまって小さい可能性を追いかけないで、はみ出したって誰も間違いじゃない!と語りかけてるように思えます。
命の起源こそ奇跡そのものだ
生まれたあの日僕らが 証明した確率は
何千億分の1 命のレース勝ち抜いた HERO
出典: 奇跡/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
命を与えられた瞬間がもう既に奇跡のような確率で、それでもあなたは今まで生きてきている。
だからあなたこそHEROなんだ!と解釈すると、コブクロの小渕健太郎はこの曲を聴くすべての人の可能性と奇跡を語っているように思えます。
わがままに映るくらいの 強い歩幅で突き進め
棘だらけの時代にも 安らぎの花は咲いている
傷つく事恐れないで 痛みごとその手で掴みとれ
出典: 奇跡/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎
生まれてから生きてく上で最も大切なのは自分自身。
多少の困難や苦労の先に楽しいことや嬉しいことが待っている。
傷ついてなにもしないのではなくて、痛みすら自分を前進させるエネルギーに変えようと、奥の深いメッセージですね。
時間は等しく与えられてる…
夢を繋ぎ止めるのは 決して切れない スピリット
か細くとも強い糸 目には見えないよ きっと
針の穴よりも狭い 未来への入り口でも
通り抜けなきゃ進めない そんな日が君にも来る
出典: 奇跡/作詞:小渕健太郎 作曲:小渕健太郎