1996年発売の11枚目のシングル曲「楽園」。

苦しみも憎しみも忘れてしまおうよ
スプーン一杯分の幸せをわかちあおう
君が思うほど僕は弱い男じゃないぜ
愛と勇気と絶望をこの両手いっぱいに

出典: 楽園/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉

「スプーン一杯分の」……ドラッグにしか思えませんが、やはりドラッグを歌った曲であるとのこと。

「愛と勇気」に「絶望」を足した歌詞からは、綺麗ごとだけでは済まない人生の泥臭さを感じます。

ひとりきりもいいだろうふたりだけもいいだろう
猫もつれて行こう好きにやればいい
いつか僕らも大人になり老けてゆく
MAKE YOU FREE 永久に碧く

出典: 楽園/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉

この内容で、この文脈で「猫もつれて行こう」が出てくるセンスに脱帽します。

また、ドラッグが原因で若くして亡くなったミュージシャンも多いですが、彼らは「大人になり老けてゆく」ことがないんですよね。

この曲の発売当時、筆者は学生でしたが、大人になった今聴くとなんともいえない、しんみりした余韻が残るように思います。

7位「バラ色の日々」

1999年に発売された19枚目のシングル曲「バラ色の日々」。

吉井和哉さん曰く“THE YELLOW MONKEYとファンのテーマソング”とのこと。

新旧のファンから人気があり、2013年に発売されたベストアルバム『イエモン -FAN'S BEST SELECTION-』でのファン投票で1位を獲得しました。

追いかけても追いかけても逃げて行く月のように
指と指の間をすり抜けるバラ色の日々よ

バラ色の日々を君と探しているのさ
たとえ世界が行き場所を見失っても
汚してしまったスパンコールを集めて
真冬の星空みたいに輝かせよう

出典: バラ色の日々/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉

一度聴くと、忘れられない冒頭のフレーズ。吉井和哉さんの声質とも相まって、感極まりますよね。

「汚してしまったスパンコールを集めて」、ロマンチックな、それでいて切なさを感じる言葉選びも美しいです。

砂漠の荒野に倒れても 長い鎖につながれても
明日は明日の風の中を飛ぼうと決めた
バラ色の日々よ バラ色の日々よ

出典: バラ色の日々/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉

どんな世界になっても、どんな状況に置かれても、バラ色の日々を君と探し続ける、という歌詞

今日は今日の、明日は明日の風が吹きます。明日になってみないと、どんな風が吹いているのかはわからない。

うまく風に乗れるかどうかはわからないけれど、それでも、という覚悟が伝わってきますね。


6位「砂の塔」

2016年に発売された25枚目のシングル曲「砂の塔」。

再結成後、初めてリリースされたシングル曲で、初週だけで9万枚以上を売り上げてオリコン2位を獲得しました。

どれほど多くの人が復活を待ち望んでいたかが、うかがえますよね。

そこに住めばどんな願いも叶うと言われる愛の城
だけどなぜかみんな笑顔はハロウィンのパンプキン

出典: 砂の塔/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉

この曲はドラマ『砂の塔〜知りすぎた隣人』の主題歌で、ドラマの脚本を元にして書き下ろされました。

ドラマの内容と照らし合わせると、愛の城とはセレブな主婦たちが集う豪華なタワーマンション、ということになりますね。

探しても 探しても 目の前は砂嵐
積み上げた喜びもすぐにうずもれた
幸せも裏切りもいつもそばにあるよ
上に行くほど傾いた塔

安定はしない

出典: 砂の塔/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉