鍵のない箱(KinKi Kids)は彼らが得意なマイナーアップテンポの○○ソング♪歌詞情報を紹介！

恋人がいなくなってしまった様子を「夢 見てたのかな」と例えている歌詞が、寂しさを助長させます。

あるいは、夢だと思い込まないと辛くていてもたってもいられない心を表しているのでしょうか。

そして「君はもういない」とし、「僕のそばには」と言い添えている部分から推察すると、かつて愛した恋人は心変わりによって誰か別の人の元に行ってしまったのかも知れませんね。

恋人との思い出を「幸せの残骸」の残骸と表現している部分は、かなり秀逸だと思います。

それらを抱いて、愛する人の「微笑みも振り切れないまま」、まだ消えない温もりに想いを馳せているのでしょうか。

また「深くなれば 思いも苦しい」という歌詞は、愛すれば愛するほど逆に苦しくなる恋愛のジレンマが非常に伝わってくる部分です。

もういなくなってしまった恋人は、「愛しても 愛しても 届かない」存在。

「まるで心は君のせいで 鍵のない箱なんだ」の部分から、タイトルの「鍵のない箱」がこの曲の主人公自身であることがわかります。

そして、それを開ける「鍵」は恋人。

「君」という鍵を失ってしまったせいで、心はぽっかりと開いたまま、閉じる術を失ってしまった……そんな胸の痛みを吐露しているようなサビの歌詞は、メロディと相まって非常に胸を打ちます。

続いて、2番の歌詞です。

恋人に逢えなくなることで、それまで育ててきた２人の思い出が途端に残酷な遺留物となってしまう。

「いま思い出が残酷とわかるんだよ」は、突き付けられる現実を表現した悲しい歌詞ですね。

どんなに愛を約束しても、時間がその形を変えていき、やがては二度と会えなくなってしまう。

「現実」は、最も残酷な思い出なのかも知れません。

愛しても叶わないとわかっているのに、「物語 続けてる」自分は、未練をまだ断ち切れないでいます。

その心は、鍵のない箱であり、蓋が開いたままで愛し合った現実も「消えちゃいそうに」なっています。

まだ彼の中では、恋人との物語は続いているのに、もう愛すべき人はいない。

その表現を「見捨てられた鍵のない箱」とするのは、どこか文学的で哀愁の漂う歌詞だと思います。

絶対と決められた未来がないのはわかっているけれど、「運命の行く先は 誰が知っているんだろう」と中空に問いかけるような歌詞からは、僅かの苛立ちが感じられるようです。

大サビの歌詞は1番のものと同じですが、大サビが終わった後に、もう一度「鍵のない箱」と呟くように繰り返しているのが非常に印象的ですね。まるで自嘲するようにも聞こえてきます。

Kinki Kids「鍵のない箱」の歌詞は、全体を通して悲しみを初めとした様々な感情を織り込んだ歌詞であり、心に次々と去来する言葉をそのまま歌詞にしたようでもあります。

鍵を失くしてしまった「鍵のない箱」が、また蓋をそっと閉じる時間はやってくるのでしょうか。

長い夜にこの曲を聴いてみるのも、また哀愁があっていいかも知れませんね。