4位 イチブトゼンブ
こちらはドラマ「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」への書き下ろし曲で、2009年に46枚目のシングルとしてリリースされました。
爽やかなミドルテンポのロックチューンで、素敵な恋愛観を歌った曲です。
こういう風に相手のことを受け止められたらいいな、と思わせてくれます。
すべて知るのは到底無理なのに
僕らはどうして
あくまでなんでも征服したがる
カンペキを追い求め
愛しぬけるポイントがひとつありゃいいのに
出典: イチブトゼンブ/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
すべて何かのイチブってことに
僕らは気づかない
愛しい理由を見つけたのなら
もう失わないで
愛しぬけるポイントがひとつありゃいいのに
それだけでいいのに
出典: イチブトゼンブ/作詞:Koshi Inaba 作曲:Tak Matsumoto
好きになったポイントがあれば、それでいい。
非常にシンプルですが、恋愛の極意のような気がします。
人間は誰だって欠点を持っています。
その上個性だって様々です。
何もかも自分の気に入るようにするなんて、相手が人間である限りはしょせん無理なことなのです。
でも愛し合って、だんだんお互いのあら捜しをしたり、相手に注文を付けたりしてしまう。
よくあることではないでしょうか。
そんな時こそ、好きになった時のことを思い出してと、そうこの曲は教えてくれるようです。
3位 YOU & I
つきあいがいがありすぎて
身も心もくたくたになる
いなくなってしまえ 歓びもいっしょに
あなたがいなけりゃ 悔しさに泣くこともない
何もない 思い切り 叫ぶことも
いなくなってしまえ 憂鬱といっしょに
あなたがいなけりゃ あとは寂しさに耐えればいい
つまらない毎日を送ればいい
出典: You & I/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
恋愛をしたら、辛いことや、正直面倒なことも多くなります。
恋さえしなかったら、こんな辛い想いをしなくてすむのに、といった瞬間もたくさんあるでしょう。
それもこれも、”あなた”が原因。
いっそのこといなくなってしまったら、こんな気持ちになること自体がないと、軽い恨み節ですね。
身勝手と思えるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
”僕”は、ちゃんと”あなた”がいることで、歓びも倍になることも知っているのです。
いなくなってしなったら、寂しくなること、つまらない毎日を送ることになることも。
ただちょっと、うまくいかない時に、駄々をこねているだけ。
それだけなんです。
どうしようもないちょっとの身勝手さと幼さが、なんとも親近感のわく歌詞ですね。
2位 春
7枚目の2枚組オリジナルアルバム「The 7th Blues」に収録。
歌詞もそうですが、イントロのギターがまた哀しさを誘うものとなっています。
大人の恋愛を歌った、大人にしかわからない苦しみの歌といえるかもしれません。
奪う勇気を捨てた者たちは
寄り添うこともなく にわかに夜は消えた
出典: 春/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
口を開ければ綺麗好きな言葉が本音の邪魔をする
たかが恋なのにいつからこんな臆病になったの
なにも言えないで過ぎてゆく 君の影を見送るだけ
わかっているから涙が落ちる 膨らむ思いを飲み込む辛さを
もっと早く出会っていれば なにもかもがうまくいったのか
華やかに咲いて散るような 瞬間(とき)を二人求めている
出典: 春/作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
禁断の恋がテーマですね。
強く惹かれあいながらも、何も言うことはできない。
いろんなことから、あきらめざるを得ない恋なのでしょう。
でも口には出さなくても、伝わる想いはあるはずです。
飲み込んだ想いは、きっとお互いに伝わっている、そう思いたいですね。
出逢ったのが遅かった、でもそれが運命です。
相手を大事に思うからこそ、臆病になる。
そこまで思える深い愛は、飲み込んだまま心に焼き付いて、きっと一生忘れられないものとなるのでしょう。