BUMP OF CHICKEN「ゼロ」の歌詞情報♪ゲーム【FINALFANTASY零式】に起用!の画像

瞳の色は夜の色 透明な空と同じ黒
確かさに置いていかれて 探して見つめすぎたから

出典: ゼロ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

この瞳は誰のものでしょうか。

もしかしたら、亡くなった迷子の瞳ではないでしょうか。

夜は、太陽のような光がなく、暗く冷たい絶望の色であり、透明な空と同じというのは、まだ澄んだ瞳をもつ若い人を連想させます。

FINALFANTASY零式の登場人物たちは7歳や8歳くらいの幼い年齢で施設に引き取られ厳しい訓練を受けていきます。

そういった過酷な現実に心は置いていかれ、闇を抱える黒い瞳になってしまったように思えます。

配られた地図がとても正しく 何処かへ身体を運んでいく
はやすぎる世界ではぐれないように
聞かせてただ一つのその名前を

出典: ゼロ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

配られた地図というのは、大人が引いたレールのことではないでしょうか。

自分で正しいかどうかを考える暇もなく、ただ運ばれるように時間を過ごしてしまっているようです。

そんな自己主張のない世界で、たった一つだけ自分をつなぎとめているものがあります。それがこの曲で大切なポイントとなってくるのが「名前」です。

終わりまであなたといたい
それ以外確かな思いが無い
ここでしか息が出来ない
何と引き換えても 守り抜かなきゃ
架かる虹の麓にいこう
いつかきっと 他に誰も
いない場所へ

出典: ゼロ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

主人公にとって、絶望が広がる世界で「あなた」と一緒にいることが全てであり、生きる目的となっています。

ここでしか息ができないというのは、自分が生きていることを実感できるのがあなたの隣にしかないことを伝えています。

そして、その場所を失ってしまえば、生きている意味がないとまで思い詰めています。

架かる虹の麓は「希望の場所」。この縛られた生活から抜け出して、管理する者のいない自由な世界を目指していることが分かりますね。

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心に翼をあげて どこへでも逃げろと言った
心は涙を拭いて どこへも逃げないでと言った

出典: ゼロ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

身体は自分の意志とは関係なく運ばれていくという歌詞がありましたよね。

だから、主人公は体と心を切り離し、心に翼をあげて、ここではないどこかへ行くようにと語り掛けます。

しかし、心は泣きながら答えます。身体と心を切り離すことなく、一緒に居ようと。

命まで届く正義の雨
飛べない生き物 泥濘の上
一本道の途中で見つけた自由だ
離さないで どこまでも連れていくよ

出典: ゼロ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

生死まで影響してくる「正義」という雨。それは、互いの正義のために戦う「戦争」のことを示しているのではないでしょうか。

飛べない=逃げることのできない私たちは、ただ泥濘の上であがくしかないのです。

大人の事情の争いや戦争のために、幼いころから教育され戦う宿命を背負わされた主人公たちの哀れな姿が映し出されているようですね。

怖かったら叫んで欲しい すぐ隣にいるんだと知らせて欲しい
震えた体で抱き合って 一人じゃないんだと教えて欲しい
あの日のように笑えなくていい
だってずっと その体で生きてきたんでしょう

出典: ゼロ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

色んな事を知って、いろんな過酷な状況の中でもまれて生きてきたのだから、あの日のように笑えないだろうと語ります。

でも、それも含めてのあなたなのだから、全てを受け止めるという覚悟が見えますね。

主人公が望んでいるものは、あなたが自ら声を上げること、そして行動することなのですね。

約束はしないままでいたいよ その瞬間に最後が訪れるようで
ここだよって教わった名前 何度でも呼ぶよ
最後が来ないように

出典: ゼロ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

藤原基央は、生まれた瞬間に、いつか死ぬことが決まっているし、人が出会えば必ず終わりが来るというように、終わりと始まりは繋がっていると語ります。

約束をした瞬間に、その約束が敗れる瞬間が生まれるというわけですね。だから、約束はしないで、代わりにあなたの名前を呼ぶんだと語ります。

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広すぎる世界で選んでくれた
聞かせて ただひとつの
その名前を

終わりまであなたといたい それ以外確かな思いが無い
ここでしか息が出来ない 何と引き換えても守り抜かなきゃ

怖かったら叫んで欲しい すぐ隣にいたんだと知らせて欲しい
終わりまであなたといたい もうそれ以外確かな思いが無い

出典: ゼロ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

ここは以前の繰り返しのように感じますが、違いが少しあります。

「すぐ隣にいたんだと知らせてほしい」というフレーズ。少し前には「すぐ隣にいるんだと知らせてほしい」となっています。

つまり、過去形になっているわけですね。このことから、あなたがいなくなってしまったことが分かります。

架かる虹の麓にいこう ずっと一緒 離れないで
あの日のように笑えなくていい いつかきっと 他に誰も いない場所へ

出典: ゼロ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央