「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」主題歌
映画からのオファーにより生まれたナンバー
[Alexandros]の「閃光」。
アニメーション映画作品「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」主題歌として制作されたナンバーです。
映画スタッフからのオファーを受けて作られたという本作。
川上はこの曲の制作にあたり、過去に出版された原作小説を読み込んだとのことです。
折しも制作の頃は2020年、コロナ禍により多くの人が閉塞感と不安に悩まされた時期でした。
そんな中、川上自身の感性と「閃光のハサウェイ」の物語から描き出された「閃光」。
それはまさに一筋の閃光が闇を貫いていくような疾走感と力に溢れた一曲となりました。
そんな印象的な「閃光」を、歌詞から読み解いていきましょう。
完全生産限定盤にはオリジナルガンプラが付属
「ガンダム」のタイアップとして、「閃光」には一風変わったノベルティが付属しています。
それは、なんとガンプラ。
完全生産限定盤には「HG 1/144 RX-78-2 GUNDAM Ver. [Alexandros]」が付属します。
これはいわゆる「初代ガンダム」のオリジナルカラーバージョン。
また、ジャケットも「閃光のハサウェイ」に登場する Ξ(クスィー)ガンダムの描き下ろしイラスト。
ガンダムファン、[Alexandros]ファン共々必携の一枚となりました。
また、初回限定盤には「閃光」のライブ映像が収録されています。
こちらもファンには見逃せない一枚となっています。
大人になっていくように世界を知る
はじまりはただあどけなく
Blinding lights are fading out from the night
あどけない夢掲げた
痛みを知らない赤子のように
出典: 閃光/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
英語部分の和訳は以下のようになります。
目のくらむような光は、夜の中に消えていった
出典: 閃光/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
力強くもゆるやかなリフから、加速度を増して疾走していくイントロ。
ひとつの夢がはじまった時。
そのとき、人はその夢をただ純粋に愛し、いつか叶えばいいと願います。
うまくいかなかったときの痛み。
その夢が叶うことで苦しむ他者の存在。
最初赤子のように純粋なときには、そんなことに気付いていません。
最初に夢を持ち、ただその夢の美しさだけを思う。
そんな感情に心当たりのある人も多くいるのではないでしょうか。
同時に、この一節は幼い子供が大人へと成長していく姿を思わせます。
それはまさに、「閃光のハサウェイ」の主人公、ハサウェイ・ノアを連想させるもの。
ハサウェイはブライト・ノアの息子として生まれ、母ミライ共々戦争の繰り返される世界で育ってきました。
度重なる戦争の中、翻弄されながら大人へと成長してきた…。
そんな姿を思わせる一節が続きます。
いつか痛みを知って
Thunders calling to my ears all the time
揺れる心隠した
痛みを覚えた子供のようにって
出典: 閃光/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
英詩部分の和訳は以下の通り。
雷鳴が大声で僕の耳に呼びかけていた、いつだって。
出典: 閃光/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平
少し成長した時、そこで知るのは痛みです。
ただ幸せなだけではなく、誰かを傷つけたり、自分を傷つけることもある。
夢を追うためには痛みにも耐えなくてはならない…。
そう知った時、心は揺れます。
このまま夢を追うことは許されるのだろうか。
けれどそんな揺れる心を知られないように、不器用なりに胸に秘める。
英語詞部分も注目しましょう。
最初のフレーズでは消えていった「雷」。
けれどその音はずっと自分を呼ぶように聞こえ続けていました
それはまるで、目に映ったのは一瞬だったけれど、心をずっと駆り立てる使命。
閃光が己の行く道を示すように感じられてきます。