歌詞解説
ここまでで、Official髭男dism自身の演奏も含めて「異端なスター」を聴いて頂きました。
さてここからは、実際の楽曲の歌詞の内容をチェックしながらその中身を解説していきましょう。
この楽曲で、一体彼らは私たちにどんなメッセージを伝えようとしてくれているのでしょうか?
早速のその中身を、丁寧に紐解いていきたいと思います。
僕たちはスターになれない?
ねえ聞いて
面白くなけりゃダメで
見た目が良くなきゃダメで
そうやって選ばれたスター 人気者さ
僕らは後ろをついてまわって
照らすライトの1つとなって
それが「人生」醜いリアルだ
出典: 異端なスター/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡
歌詞は「ねえ聞いて」という第一声から始まります。歌詞を聞いてみようという気にさせてくれます。
この曲はクラスの人気者になれなかった全ての人に向けて歌われています。
おそらく誰もが思い浮かべる人がいることでしょう。
運動が出来て、勉強が出来て、誰とも分け隔てなく話して、みんなから好かれるカッコいい人。
誰しもが格好良くて魅力的な、彼の存在に憧れます。
もちろん自分も、そんな彼に憧れる1人。
けれど自分は、どうやったって彼のような存在にはなれません。
彼のサッカーの上手さが目立ったのは、自分が下手だったから。
彼の話が面白く感じるのは、自分の話がつまらなかったから。
もちろんそれだって一つの個性だと言いたいです。
しかし自分が選ばれなかっただけで、自分の代わりに彼が選ばれたというだけなのです。
考えたくはないですが、結局自分は彼の人生を照らしてあげる脇役でしかないのかもしれません。
改めて考えると、それってとても残酷ですよね。
本当に大切なことから逃げていないか?
いつからか
薄っぺらい友情や
寂しさ予防の恋愛があふれかえる街で
非難の声恐れて
無難な生き方貫いて
自分らしさにさえ無関心になって
出典: 異端なスター/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡
自分は彼のように、誰からも憧れられる人間にはなれない。
きっと自分はいつまでも、彼のような人間を照らすたくさんの人間の内の1人でしかない。
歳を取っても環境が変わっても、一度自分の身体に染み付いてしまったその考え方。
これはなかなか変えることができないものだったりもしますね。
そんな残酷は日々の中では、自分の思っていることをまともに発言出来ない空気が流れています。
目には見えなくても、何かに縛られているような毎日なのです。
そんな街だからこそ、傷を舐め合うような恋愛だってあります。
自分が本当にやりたいと思っていることが出来ず、縮こまってしまうのです。
そしてそれが当たり前のようになり、本来あるべき形ではなくなってしまうのです。
昔はそれでも、自分も輝ける人になろうと頑張ろうとしていました。
最近、あなたはそんな風に頑張ろうとしていますか?
最初から個性のない、ただの誰かを照らす影の1人に、自分からなっていっていませんか?
そうなりたいとあなた自身が本当に望んでいるのなら、それは決して悪いことではありません。
ですが輝ける人になることを、最初から諦めて影の人間になること。
そうやって、向き合うべきものから逃げていませんか?
本当にみんなと同じでいいの?
「平等だ」って嘘ついた 頭を撫でられ喜んだ
いい子になんてならないで!
『調子に乗って出しゃばった火を付け回る異端なスター』
そんな汚名着せられてもいいから どうか 叫んで 歌って
何か変えたいなら どうか 歌って
出典: 異端なスター/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡
平等ではないことくらい分かっています。
それでも平等だと言ってニコニコしていい子にしていると褒めてくれます。
ですが、それで本当にいいのでしょうか。
個性を押し殺して、言いたいことを言えない状況なんて良いはずがありません。
確かに誰かと全く平等な、同じ生き方は楽なことかもしれません。
誰かと生き方を比べることは、大変な思いをしたり、苦しい思いをすることも多いです。
ですがみんなと同じで平等である、ということ。
それはつまり、あなたの代わりはどこにでもいる、ということでもあります。
誰かかが簡単に代わりになることができるような生き方で、あなたは本当にいいのでしょうか?
自分らしく生きることが本当に意味でのいい子だと思います。
だからどれだけ失敗を繰り返しても自分らしくいられれば良いのです。
他人がいる以上、他人と比べてしまうのは仕方がないことです。
しかしそんなこと気にしないで、胸を張って生きていけば良いのです。
人生には敵わないヤツがいる
人生においてどうしても敵わない人はいます。仕方がない話です。
小さい頃は沢山笑っていたと思いますが、そんな頃でも勝てないって分かっていた人がいたはずです。
だからといって弱気になってしまわないで、何かを変えてやろうとポジティブな気持ちになって欲しいです。
確かに自分は、ナンバーワンにはなれないかもしれません。
ですがそれであれば、オンリーワンを目指してみる生き方というのはどうでしょう?
人にはみな必ず人と違う得意なことや、その人だからこそ輝ける分野というものがあるはずです。
そんなもの自分にはない、と思う方もいることでしょう。
ですがそれはきっと、まだまだ自分のことについて探せていないだけかもしれません。
あるいはあなたが気づいていなくても、あなたの周りの人はもしかしたら気付いているかもしれません。
本当は誰もが自分なりに輝けるはずです。みんながみんな異端なスターなのです。
この曲が、今息苦しいと感じている人の元に届いて、踏み出すきっかけになってくれれば嬉しいです。